清盛と義朝 9 | 玉木宏に萌えて ―腐女子の森―

玉木宏に萌えて ―腐女子の森―

腐女子のみならず、婦女子の方の来訪もまってます~~


「清盛……」

濡れた瞳が清盛を捉える。
その瞳を見ただけで清盛自身の欲望がムクリを頭を擡げる。

(本当に東国で何も無かったのか、義朝…。そなた自分では解っておらぬのか、自身から漏れ出る色香を……)

じっと自分を見詰める清盛の視線に義朝の身体が熱くなってくる。
ワザと視線を逸らし、何事も無かったように義朝が清盛に告げる。

「俺は今日正妻を娶った」

「……え……!?」

「熱田神宮大宮司、藤原季範様の娘だ。名を由良という」

「熱田神宮大宮司の娘とは、高貴な…」

清盛は目をパチパチさせ、驚きを隠せない。

「……お前の為だ……」

ぼそりと義朝が呟く。

「え?」

「…何でも無い!源氏再興の為、朝廷との繋がりは必要だからな。由良は鳥羽上皇様の第二皇女・統子様に仕えておる」

「そうか……」

「源氏再興と……、お前と武士の世を創る為だ…!」

はっ、と清盛は顔を上げた。

「お、俺もだ…!俺もそなたと武士の世を創る為、今日後添えを貰うた。家をしっかり護る者が居らねば戦えぬゆえな」

「そうか…。思いは同じか…」

義朝は清盛にフッと笑いかけた。
その微笑みが何故が儚く見え、思わず清盛は義朝を抱き締めた。

「そなたと二人で武士の世を創ったら……、俺と一緒に宋の国に行かぬか…?」

「宋…?」

「ああ、この国には無いモノが沢山ある!そなたと二人ならきっと面白いに違いない!」

「そうだな…」

「約束だぞ」

「ああ…」

どちらからともなく、唇を重ね合う二人。

愛し合う二人の身に起こるこれからの運命を、夜空に輝く月だけが知っていた。


続く