どう書こうか、心が落ち着かず、日にちが空いてしまいました。
とても幸せな報告と、とても辛い現実です。
昨年、B駅 M川の近くで保護したうちの1にゃん。
ガーフィー(ガーフィールド)
5月に神奈川県にトライアルに行きましたが、
里親さんが脱走防止に対する大事な約束を守っていないことがわかり、
トライアル中止となりました。
その後、ネットでお申し込みを頂いたIさんとご縁が繋がり、
6月からトライアル開始。
当日に、「ティグリス~Tigris~」という美しい名前を頂きました。
文明の生まれたティグリス川がその名の由来です。
また、トラの意味もあるそうです。
強くて美しいその名を聞いた時、思わず感嘆のため息が出ました。
ガッツリした窓の脱走対策!
トライアル初日からご飯を食べるという順調な滑り出し。
と思ったら、次の日には甘えてふみふみもし、Iさんにゴロゴロ
その後、あれよあれよとIさんの事を大好きになっていくのが手に取るようにわかるティグリスくん。
あまりにも順調な様子に、4日目からは私達の方から
「Iさんがティグリス君をケージに戻したい時に戻せる自信がついたら、もうケージから出しても大丈夫かと思います。」とお伝えしたくらいでした。
5月の以前の里親Sさんの時のトライアルの状況と全く異なっていたので驚きました。
成猫で、ここまで順調な子も本当に珍しいと思います。
また、それ以上に、ティグリス君が本当にIさんのことを大好きなのがご報告と写真からひしひしと伝わってきて、
その場にいない私達でも、ティグリス君がケージから出ても問題ないことが分かりました。
リラックスして甘えるティグリス君
Iさんと一緒にビデオ会議に参加するティグリス君
また、Iさんの言葉一つ一つからも、Iさんがどんなにティグリス君が大事か感じ取ることが出来ました。
途中、ティグリス君の毛が一時的に大量に抜けたり、食欲が無くなったことも有りましたが、
1ヶ月たち、Iさんの意思をお伺いし、正式譲渡となりました。
それまで、保護した辺りからいつも食欲全開でごはんを食べていたティグリス君。
いつもチョロチョロ元気に歩いていたティグリス君。
ごはんにちょっと飽きてきたのかなという認識しかありませんでした。
が、それから2週間後、
やはりティグリス君の食欲が落ち気味でIさんが病院に連れて行った所、
腎臓に炎症があることが分かりました。
獣医の先生曰く、原因はわからないけれど、ルームフレグランスなど、猫の体では処理できないものが原因の見込みとのことでした。
(ちなみに、Iさんも、我が家も、もともと全く、香り付の柔軟剤やルームフレグランスを使う暮らしをしておりません。)
Iさんには伝えていたのですが、
実は、5月に3週間ほどトライアルしたSさんのおうちから連れて帰って来た時、
数日以上にもわたって、ティグリス君の被毛にそのおうちのフレグランスの匂いがついてなかなか消えない状態だったのです。
5月のトライアル開始の際に、Sさんに前もって伝えていたにもかかわらず、
フレグランスの香りがしたので、改めてSさんに香料の害についてお伝えしており、Sさんも理解されていた筈でしたのに、
トライアル中もフレグランスを使っていたようでした。
猫は、自分の体を舐めて手入れをします。
また、家族を舐めて愛情表現する猫もいます。
被毛にフレグランスの香りがつくとは・・・。
毎日少しずつ、確実に猫の体を傷つけている事だと思います。
その後、点滴と投薬を1週間続けた結果、ティグリス君が、慢性腎臓炎に侵されている事が分かりました・・・。
恐らく、元の原因は、外での辛い、過酷な毎日にあると思います。
ただ、きっかけとなったのは、獣医の先生のご意見でも前回のトライアルのフレグランスだったのでは、と言う事でした。
ティグリス君は余命宣告を受けました。
本当に、私は自分が馬鹿だったと後悔の毎日です。
それまで里親希望者さんとの面接でフレグランスを使うかどうか、口頭での確認だけでした。
トライアル開始日に初めてSさんのおうちに行った時、聞いていた返答と状況が異なり、部屋の香りが気になったものの、
信じ切っていたSさんだった為、その場で私が気になった事についてお伝えした時に、真剣に捉えてくれたと信じてしまったことをとても後悔しています。
聞いていた事と異なることや、不安があれば、その場でティグリス君を連れて引き返す決断が必要でした。
やっと巡り合えたティグリス君とIさんに、本当に申し訳ない気持ちで一杯です。
もし、このブログを読んで下さった方の中に、
ルームフレグランスや強い香り付の柔軟剤などを使用されている方がいらしたら、
その影響について、大事な家族に起きる可能性について少し考えて頂けたらと思います。
ティグリス君の身に起きた事を思い出して頂けたらと思います。
そして、1日、1秒でも、大事な猫家族が苦しまない生活を送れるように、できること、しない方が良いことがあることを思い出して頂けたらと思います。
ティグリス君の事が起きる前までは、
ケースによっては、アンケートや面会でご自宅の状況を聞き取りし、トライアル開始日に初めてご自宅にお伺いすることもありました。
ですが、トライアル先まで距離がある場合は特に、
一度連れて行ってしまうと、明確でない理由で、中断の決断をするのはたやすいことではありません。
もともと、アンケートや面接、お見合いの厳正な審査を経て信用できる情報に基づき、トライアルを決断し、
片道の移動、それ自体に、猫に負担を掛けているからです。
ティグリス君の場合は、それで判断を誤ってしまいました。
なので、今は、口頭やアンケートだけの確認ではなく、
トライアル前に必ずご自宅にお伺いして、環境の確認をさせて頂いております。
実際に、とても魅力的なご家族であったにもかかわらず、お部屋にお伺いし、ご縁が中止となったこともあります。
猫たちの命を守る為、出来ることをしていきたいと思っております。
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さて、8月のイコール保護猫譲渡会は、中止となりました。
ツイッター・インスタグラムからの抜粋です。
「 【中止のご報告:8/28イコール保護猫譲渡会】
今月28日(土)に開催予定でしたイコール保護猫譲渡会は、残念ながら「中止」することにいたしました。
次から次へと猫が保護されている状況の中、譲渡会を行えないことは心苦しい限りです。
しかし、感染力の強いデルタ株が蔓延している中、
PCR検査を簡単に受けることができないこと、
ワクチン接種が十分に進んでいないこと、
デルタ株は比較的重症化しやすい傾向があること、
医療崩壊が起こっていることを考慮し、
参加者の方々へのリスクが大きいと判断いたしました。
開催すれば何頭かのご縁が繋がると思いますが、
その反面、万が一のことがあれば、失うものが大きいと思いました。
当面は開催の目途がたっていませんが、次の予定が決まりましたらご報告させて頂きます。
今後とも宜しくお願いいたします。 」
以上、ツイッターなどでは限られたスペースの為、凝縮したメッセージとなっております。
7月の終わりから急激に感染者も多くなり、これは開催は難しいだろうと思わざるを得なくなりましたが、
正直、中止の決断は容易ではありませんでした。
開催すれば、何頭かのご縁が繋がり、その分外の子の受け入れも出来、命が繋がります。
ただ、ここまで感染が拡大している状況では、目に見えない影響もあるかもしれません。
それが、家族を引き離し、病院をひっ迫させ、助かる筈の命を奪ってしまう可能性もあるかもしれません。
感染病は、身体的、社会的、経済的立場の危険にたっている方が特に犠牲になりやすい傾向にあります。
やはり中止の決断に至りました。
今日、ツイッターを見ていましたら、フジロック出演を辞退した、折坂悠太さんの辞退報告ツイートが目に入りました。
全くスケールが違うものの、とても共感いたしましたので、ご興味がある方は是非読んでみてください。
今日までに、コロナ蔓延の為に、面会もできないままのお別れもありました。
毎日、耳をふさぎたくなるようなニュースで一杯です。
1年半以上も、このような状況です。
どうして国は、コロナ蔓延防止の為に全力を尽くしてくれなかったんだろう
施設を、どうしてコロナで苦しんでいる方達の為につかわなかったんだろう
お金をどうして、困った方々の為に使わなかったのだろう
今でも、どうして専門家の意見を聞かずに医療現場を追い詰めることしか言えないのだろう
何だか、色んな思いが詰まりすぎて、ブログが書けませんでしたが、
書いたら色んな方向に飛んでしまいました。すみません。
イコール保護猫譲渡会につきまして、また改めて決定次第、報告させていただきます。
(みじんこ)