【住宅版 「マジック・アート」です!】


とにかく暑いですね~?セミの声が暑さを増してくれるようです。(~_~;)


今日は朝から、塗装業者さんと打ち合わせをしていました。現在 4ヵ所の現場があり、個々に仕様の説明をしてゆきますが...今回、ある技術を要する現場があるのです。

それはイギリスのチューダー様式の洋館で、外壁に構造材である柱や梁が露出したデザインになっています。「ハーフティンバー」と呼ばれる工法なんですが、日本でも昔の土壁の家が同じような形で、柱などが外から見えていました。

20071130_407767.jpg

本来なら、構造材である木材をそのまま外部に見せるのですが...メンテナンスを考慮して、「木に見える」形で造る事にしたんですよ? (*^_^*)

実は、欧米と日本とは木材に「塗装」を施す際には、考え方に”違い”があります。日本人は木が持つ”木目”を活かせる様に塗装をしますが、欧米では木目を”塗りつぶす”形で塗装を行うのです。これは文化の違いなんですね~?

ですから、洋館である場合は木材以外の物で「代用」する事が出来るのです。そこで考えたのが「モルタル」を使って外部に露出する柱や梁の「形」を造り、耐久性の高い塗装を施す手法です。

pub_main1.jpg

これはまだ左官職人がモルタルを施工中の画像ですが、本来なら木材の部分に凹凸をつけています。このモルタルの上に「木に見えるように」ある塗装をするんですよ~!

西洋は、木目を”塗りつぶす文化”ですから出来る技でもあります。(^_^)/

ただし.....そのまま塗料を塗っただけでは、やはり「モルタル」が下地になっている感は否めないでしょう。ですから、あえて木目に見えるような「工夫」を施してやります。

実は過去にも、同じ手法で建てた住宅があるのです。それが弊社モデルハウス【大正ロマン邸】なのですが、木製の外壁に「見える」こんな仕上がりになっています。

2014072615180000.jpg

いかがですか?塗装屋さんに、刷毛で塗った跡が「残る」ように塗ってもらっています。それが細かい木の「木目に見える」と思います。言わば住宅版のマジック・アートです。木じゃないのに木に見える!

(^-^)面白いでしょう~?

チューダー様式の洋館には...ここに とある塗料を使うのですが、真っ白な外壁に”落ち着いた風合い”の木材が「見える」ように考えています。濃い茶色の塗装で”造る”予定なんですよ~?完成すれば、かなり美しい外観になるでしょう。

image.jpg

※完成予想図です


ともあれ、こういった事を考え実行できるのは「やってみよう!」という気概のある職人が居ないと、絶対に不可能なんです。私はデザイナーですが、いくらお洒落な外観の「立図面」を描いても...絵に描いた餅になってしまいます。

かなり大変な知恵と労力を要しますが、ある意味「チャレンジャー」の精神を持った優秀な職人なら”可能”なんですね~?

デザインだけではありませんが、住宅は多くの熟練職人によって成り立っています。 <(_ _)>