1957年後半には、後世に多大な影響を残すアーティストたちが登場しました。
僕の大好きなアーティストも登場します。
★エヴァリー・ブラザーズ
ドン・エヴァリーと、フィル・エヴァリーという兄弟による、ロックンロール初のデュオの登場です。
兄弟であることを生かした絶妙なハーモニー。
僕が最も好きな歌い方のシンガーです。
好きすぎて10代の頃、一人で多重録音したこともあります(笑)
彼らのデビューヒットの「バイバイ・ラブ」は57年の6月に全米2位まで上昇しました。
彼らはこの後、トップ10ヒットだけで15曲を生む大スターとなるのですが、このハーモニーは後のビートルズに大きな影響を与えたと思っています。
★ポール・アンカ
ルックス、歌唱力を兼ね備えただけでなく、ポール・アンカはポップス史上初の「シンガーソングライター」でした。
57年のデビューヒット「ダイアナ」は弟のベビーシッターへの片想いについて歌った曲だそうです。
わずか16歳でのデビューにも関わらず、同曲は57年の9月に全米1位を記録しました。
ポール・アンカはこの後もロックンロール時代にトップ10ヒットだけで8曲を生み出すトップスターとなりますが、その全てが自作曲という、当時では考えられないタイプのアーティストだったのです。
まさに天才少年でした。
★ジェリー・リー・ルイス
ピアノを弾きながら歌う白人ロックンローラーが初めて登場しました。
セカンドシングルの「ホール・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン」は57年の9月に全米3位をマークしました。
このパフォーマンス。笑けるほど最高です!(笑)
彼はコンサートで「火の玉ロック(great balls of fire)」を歌っている最中に、本当にピアノに火をつけてしまったという逸話があります。
伝記映画である「グレート・ボールズ・オブ・ファイア」にその再現シーンがあります。
イカれてる、、、(笑)
クレイジーさから言って、彼が初めてのパンクロッカーといって間違いないでしょう!(笑)
★バディ・ホリー
個人的な思いが多分に入りますが、バディ・ホリーこそ、ロックンロールを「ロック」に進化させたアーティストだと思っています。
デビューヒット「ザットル・ビー・ザ・デイ」は57年の9月に全米No.1となりました。
この曲はまだ前年のロカビリー色を残しています。
その後、彼がロックンロールを「ロック」に変革したと思える例を二曲ご紹介します。
●ロック・ミー・マイ・ベイビー(57年 アルバム曲)
●レイブ・オン(58年 全米38位)
僕がこれをロックだと思う一番の要素は、
「ブルーノートスケールを使わずメジャースケールのメロディであること」です。
60年代中期以降はこれが当たり前になりますが、まだこの頃はバディホリー以外に例を見つけるのは難しいです。
また8ビートを基本としており、演奏に関しても非常に独創的でした。
彼もまたビートルズに多大な影響を与えたアーティストだと思います。
最後に余談ですが、WDRSの昔のシングル「Changing all those changes」は、彼のマイナーレーベル時代の1956年の曲から名前を頂きました。
また収録曲の「Not fade away」もこの曲からタイトルを頂いています。
僕が昔からどれほどバディ・ホリーを崇拝していたか、お分かり頂けましたでしょうか、、、(笑)
もう大好きだったのです。
さて、このように1957年は、初、初ずくしの年でした。
様々なアーティストが個性を発揮し、まさにビッグバンのような大ブレイクが起きたのが1957年。
夢の時代でした。