1957年に入っても初頭はまだ、スタンダード8 : ロックンロール2、という前年の比率を引きずっていましたが、春頃から変化が見え初めました。
そして、6月には、ついにトップ10ヒットのほとんどがロックンロールと新世代ポップスという状態になりました。
1957年に完全に歴史は書き変わったのです。
ロックンロール、オールディーズファンにとっては夢のような時代の始まりです。
今回は1957年に起こった様々な変化について、時系列で振り返って行きます。
1957年の初頭、また従来には無かったタイプの曲が登場します。
ロックンロールもドゥーワップも取り入れたポップスの完成です。
●ヤング・ラブ / タブ・ハンター (57年3月 全米1位)
●ティーンエイジ・クラッシュ / トミー・サンズ (57年3月 全米2位)
どちらの曲もティーンエイジャーを主題にしているところが、ポップスの主導権が若者の手に移ったことを表していますね。
★白人ドゥーワップグループの登場(人種の混合)
クルー・カッツなどのスタンダードっぽくR&Bをカバーする白人はいましたが、「いよいよこれは本物のドゥーワップだ」といえる白人のコーラスグループが登場します。
その最初のヒット曲がこちらです。
●リトル・ダーリン / ザ・ダイアモンズ (57年4月 全米8週2位)
実はこの曲も黒人のR&Bのカバーです。
でも、もうこれはオリジナルより良い。
売れ線狙いの台無しカバー(失礼!)ではなく、本当にR&Bを解釈した白人たちが現れたのでした。
また、時を置かずに、白人と黒人の混声コーラスグループも登場します。
●カム・ゴー・ウィズ・ミー / ザ・デル・バイキングス (57年5月 全米4位)
音楽を、肌の色で区分けする時代が終わりました。
★アイドルの登場
ルックスと人気の点から言って「初めてのアイドル歌手」と呼べるシンガーが登場します。
リッキー・ネルソンです。
彼のデビュー曲「ア・ティーンエイジャーズ・ロマンス」は57年の6月に全米2位に上がるヒットとなりました。
リッキー・ネルソンはオールディーズ時代、最も美形なシンガーなのではないかと、個人的には思っています。
そして、その双子の息子は「ネルソン」というバンド名で1990年に全米No.1ヒットを産みます。
●(Can't Live Without Your) Love and Affection / Nelson (1990年9月 全米1位)
お父さんの面影があるところが嬉しい、、、
時代は変わって、長髪とハードロックになりましたが、お父さん世代の革新を引き継いで、見事に昇華させました。
ビバ、ロックンロール!!
つづく
chuma@WDRS