1955年。

ついにロックンロール誕生と言える曲が生まれます。

ご存知、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」です。

この曲は映画「暴力教室」の主題歌であり、1955年7月9日から8週間、全米1位を記録しました。


僕も「最初のロックンロールは何か?」ということを長年考えましたが、

・白人が黒人のスタイルで歌ったオリジナルソングである(もうR&Bとは呼べないし、従来のポップスでもない)

・初の全米No.1となった(本当の意味で市民権を得た)

という点から、やはりこの曲がロックンロールの誕生であると思っています。


そしてこの年、二人の「ロックンローラーと呼べる黒人」がデビューします。


一人はチャック・ベリー。

★デビュー曲
メイベリーン 55年 全米5位(R&Bチャート11週1位)


もう一人はリトル・リチャードです。

★デビュー曲
トゥッティ・フルッティ 56年 全米17位(55年 R&Bチャート2位)


彼らの音楽はそれまでのR&Bとは、もはや違いました。
よりキャッチーで洗練されていた。


そして、リトル・リチャードのトゥッティ・フルッティこそパット・ブーンのカバーに順位は破れましたが、それ以外の彼らの曲は、白人のポップシンガーのカバーに破れたことはありません。

ナショナルチャートで、オリジネーターとしての地位を確立したのです。


この後もドゥーワップを中心として黒人のティーンエイジャー達が次々にヒットを飛ばして行きます。

このことが当時の人々にどれほど夢と希望を与えたか。

そのことを考えると、僕も明るく胸踊るのです。

夢のある時代の音楽は、音に夢が詰まっている。僕がオールディーズを好きな理由です。


この55年は、もう人種に関わらず、良いものは良いとすることが始まった、真のロックンロール元年となりました。

chuma@WDRS