知財権侵害、懲役を最高10年に・・・問題はどこに
知財権侵害、懲役を最高10年に強化・政府最終案
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20050605AT1E0400204062005.html
15年前ある家電メーカーの研究室
「田中君、ついに家庭用のCD-Rドライブが完成したぞ。」
「山田部長これで家庭でも簡単にCD-Rにデータをコピーできるんですね。」
「そうだとも。誰でも手軽に簡単に音楽CDを全く同じものにコピーできるんだ。」
「え、部長、それは海賊版行為じゃないんですか。」
「大丈夫だ。個人が家庭内で利用するために複製を取るのはいいんだ。」
「でも、そんな建前が嘘っぱちで、今だって他人の分もカセットテープにダビングしてるじゃないですか。それが全くCDと同じ品質になるってことは、今以上に簡単に海賊版を作れることなんじゃないですか。」
「田中君、君も大人になりたまえ。包丁を作っている会社が、包丁を使った殺人が起きるからといって、包丁を作るのをやめたりするかね。」
「部長それは極端ですよ。包丁は最初から調理目的の道具ですが、CD-Rドライブはデータのコピーが目的です。音楽CDやソフトのコピーに大半の人が利用するのは目に見えてるじゃないですか。包丁を握ったからって人殺しはしないけど、CD-Rドライブは使っってみてそれがきっかけで海賊版の犯罪者になる人が出るのは間違いないですよ。」
「はぁ、わかってないようだね。それがどうしたというのだ。それで逮捕されるのは誰だ。君か私か?違うだろ犯人はその海賊版を作り売った奴だ。我々には関係ない。犯罪を犯した奴が悪いんだ。」
「でも、このCD-Rドライブが世の中に普及しなければ、少なくともCD海賊版犯罪が大量に出ることはないはずですよ。大体、個人が複製してもいいなんてのもおかしい。元のCDから聞けばいいだけじゃないか。」
「田中君、落ち着きたまえ。たしか君は子供が生まれたばかりだったね。どうだね、空気のいい田舎で生活したいかね。それとも今のままの生活を続けたいかね。」
「部長、それは・・」
「もちろん田中君の言うとおりだ。このCD-Rドライブが普及すれば多くの人は音楽CDやゲームソフト、ビジネスソフトを気軽にコピーするだろう。それがなぜ犯罪行為なのか理解していないし、そのための情報も不十分だ。実際この手のソフトは誰の目にも”コピーしただけじゃん。ほんとは安いんじゃないのみたいな”という程度にしか認識されていない。罪の意識は軽い。軽いからみんながやる。みんながやるから売れる。ウハウハだ。そして君の子供のミルクも買えるという訳だ。」
「でも、部長、犯罪を生む道具を作っていることに変わらないのでは」
「自動車はどうだ。かっこいいコマーシャルを流して、車内は快適。高い車に乗ると自分が偉くなった気分にさせてくれる。でもこの道具は二酸化炭素を排出し、さまざまな有害物質を空気中に撒いている。触媒で浄化しているというのは売り続けるための言い訳だ。道を歩いてる人にぶつければ簡単に殺せる。自動車本来の目的のために使うだけで地球に迷惑をかけている。そんな道具を作る企業がトップ企業として称えられ崇められるのだ。おかしいのはうちだけじゃない。みんながおかしい。だからいいんだ。」
「でも、部長・・・」
「自分のためだけを考えればいい。今の生活をやめるかね?」
「・・・・いいえ。」