シリアルの箱から60センチのヘビ
ヘビはアカダイショウ。アオダイショウだったらもっと大きいね。よく世話をされていた形跡があるところから、飼いヘビの可能性も。
もう俺はウンザリなんだ。
毎日毎日四角い水槽の中。
飼い主が今日ものぞき込んでる。
でっかい鼻だなぁ。
俺こいつ嫌い。
エサなんかくれなくてもいいよ。
飢え死にしてやる。
でも俺一応野生の血が流れてるから、
本能が飢え死にはさせてくれないんだよね。
逃げてみようか。
でもこの水槽のフタ、重くて持ち上がりそうにない。
アレ?俺の飼い主泣いてるよ。
え?引っ越しなの?
今度は暖かいところだといいなぁ。
え?何々?フタが開いてるよ。
良いの?出ちゃうよ、逃げちゃうよ?
後ろを振り返ったら、飼い主が悲しい目で俺を見ている。
俺を逃がしてくれたんじゃなくて、俺を捨てたのか。
そうか、そうなのか。
・・・・・・・・・・
ああ、おなかすいた。
寒い。
あ、このお店暖かいぞ。
空気も良さそう。
排気ガスだらけの道路の脇を行くのはもう疲れちゃった。
俺ってほら、箱入りで育ったし、
空気清浄機のないところはつらいんだよね。
おお~この店には食べ物がいっぱいだ。
生ものはないけど、まあ良いだろう。
この箱の中に入っていれば、暖かいし
おなかがすいたら、このパサパサしたものを食べればいいな。
しばらくこの中で休んでいよう。
アレ?箱が動いている。
なんだか人の声もするぞ。
だれ?だれ?
俺のしっぽをつかむのは。
新しい飼い主?