以下は、龍蔵のモンゴル調査時のエピソード:
龍蔵の「護身家宝」は「雷声」(かみなりごえ)?
前篇のように
そんな「非武装」の龍蔵が
生涯たぶん数知れない危機にあっている、
しかし、それがすごくドラマティックなのは
以下のできごと と思われる:
モンゴル調査時、深夜、
皆モンゴルパウの中で眠っていた、
気づいたら
「強盗」「どろぼう」?がすでにパウに侵入、
そこに立っていたのだ!
さむらいの娘でやりの名人のきみ子
さて、自分の出番だ!と思うやいなや、
いまだかつて聞いたことのない、
落雷かのようなとどろきわたる龍蔵の
「出てゆけ!」の声が鳴り響いた、それも、モンゴル語で!
その声の威力で
「強盗」さんが一瞬ひるんだらしく
立ちすくみ、動けなくなったようだ
その後、体をすくめ、あわててパウから飛び出し、
一目散に逃げていったそうだ・・・
見わたすことができる大草原で
必死に逃げゆく強盗の姿はありあり・・・
モンゴル貴賓である龍蔵
その警護にあたるモンゴル兵たちも
「落雷」などで隣のパウから飛び出し、
一斉に鉄砲を上げ、
「強盗」を狙い撃ちしようとした・・・
ここで、2回目の「落雷」が起きた、
「いかん!」とモンゴル語で龍蔵がどなった!
純粋素朴で直情的な 若いモンゴル兵たち、
怒りに震え:「強盗はモンゴル人じゃない!
モンゴル人はこういう汚いことはしない!
外からの流れ者どもだ!」(大意)と
皆怒りに震え、銃をおろそうとしなかった・・・
「いかん!」龍蔵はさらに怒鳴って、
全員に銃を下ろさせた。
皆が一緒になって、
大草原の遠い遠い向こうまで
強盗の姿が小さく、小さくなってゆき、
点になり、消えうせるまで・・・見届けたのだ。
怒りに震え、目をみはっていた若きモンゴル兵たちの姿は
大変印象的だったようだ・・・
事後、龍蔵がきみ子夫人に
強盗は多分、モンゴル兵の言うとおり
他民族のもの、彼らは小さな商売のため
モンゴル人の地域に入り、
しかし商売がうまくいかず、
パウ移動の遊牧もできず、生活に追われ
強盗やどろぼうもせざるをえなくなった
という「流れもの」の実態を話したのだ。
戦乱の「満蒙」の一断片なのだ・・・
ここに「絶対に人を殺してはいかん!」
という、龍蔵の鉄の「ポリシー」が分かる。
「雷声」で強盗退散のこのモンゴル調査の思い出は
きみ子夫人の生涯の宝であったようだ:
「そんなりっぱな声を出すなんて・・・」
「それも、モンゴル語で怒鳴ったのだ!」
きみ子夫人がこの思い出を語り、よくこうつぶやいたのだ。
彼女にとって、
学問的に語学堪能の龍蔵はよく知っている、
しかし、緊急事態に、突発的に
外国語で怒鳴り、強盗退治、兵士統制までできたのは
予想外のできごとだった!
龍蔵の語学は、実用的だった!
だから、龍蔵の能力・勇気への敬愛がますます深く・・・
二人はますます更なる戦友として、
人類学の旅路を続けたのだ。
「非武装」で「絶対人を殺さない」龍蔵の
護身の唯一の「家宝」?は
その「雷声」(かみなり ごえ)だったかも?
それで龍蔵を守りとおせたのも、又奇跡では?
情報ご提供の方々
本当にありがとうございます!
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ご参考になる龍蔵著書
『満蒙を再び探る』(龍蔵・きみ子共著)
トクシマ・ドラゴン・ブック 復刻版
2014年 新版新書

文字が大きく読みやすい、
調査時写真も入っています。
表紙はラメ加工 光沢あり、汚れにくい。
本書は、龍蔵のふるさと徳島以外
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