記念碑 for 一滴の露


きみ子の一族に、一人絶世の美男がいたようだ。

その美しさは群を抜き、誰が見ても、惚れ惚れしてしまうほどだ。

多分、光源氏みたいのかな~?

外を歩くと、彼を見かけた女性は皆ふらふらになり、ひとりでについていってしまうそうだ(きみ子曰く)。美男子側から何か働きかけた訳ではまったくないのだ。

そのため、女性たちのボイフレンド・旦那さんたちは当然おだやかじゃない、いらいらだ。

・・・・・・

そのうち、とうとう、突然、この絶世の美男が、消え失せてしまった。

二度とその姿を見た人はいなかった。

もうこの世にはいないようだ。


その美しさで女性が大勢ついてきたため、何かの恨みを買い、事件に巻き込まれ、抹殺されてしまったのでしょう、ときみ子は嘆き惜しんでいたそうだ。


このお話を聞いて、僕の気持ちも曇った、

この世の哀れとは、こういうことかな~、とつくづく思った。


きみ子の一族に、このような美しき男子がいたこと、露のごとく一瞬美しく輝き、若くして消え失せてしまったこと、をここにつづり、彼の記念碑としたい: 

なんの罪もなく、その絶世な美貌がため、身を滅ぼした一滴の哀れな露を偲んで。


アーメン


※ このお話を下さった方、ありがとう