Future Music 2012 6月号 Skrillex その2

"立ち直れる訳がないじゃん。あれは単に僕のアルバムが入ってるってだけじゃなくて、僕の4年間の価値ある全作品が入っていたんだよ。心が痛まない夜なんて無いんだから。"
FM
Future Music読者の為に、エディットに関するコツ、トリックなどを教えてもらえないかな?
Skrillex
僕は作業がすっごく早いのさ。気が付いたんだけど、その理由は僕がマウスを使ってないからじゃないかな。単にトラックパッドを使ってるんだ。それを触ったり、スライダーをいじくったりするのが、マイノリティリポートみたいな感じなんだよね。(笑)
それ以外には、エディットに関して、それって全部、君がそのトラックをどうしたいのかによるよね。あるトラックは最後のミックス時に全部オーディオに換えちゃうし、また別のトラックではMidiでシンセをトリガーして演奏したりね、どんなソフトシンセであれね。んでパラメータもオートメーションしてね、まあそれはいっつもワイルドな位やっちゃうけど。実際のエディットに関するコツに関しては、あまり良く分からないな。ホントに。要するに問題なのはエディットのスタイルじゃないんだよね。それって本当にクールで、具体的なアイデアなんだ。例えもしそれが各パーツやイカレたパーツだったとしても、それでもおおよそフレーズとも言うべきモノが得られるよう、こだわらなくちゃいけないんだ。
FM
君の作業の流れって、固定化されちゃってるかい?それともいつでも気分に応じて変えられるものかい?
Skrillex
通常は、そのときに僕がどう感じるかだよね。以前は自分のやったことを見切ったりしなかったけど、、でも成長し続けたいよね。いつも、新しいシンセサウンド、サンプルを作ってるんだよ、作業時にね。それが結構僕を特定の方向に向かわせてくれるけど、結局いつも僕自身次第なんだ。
FM
どんな感じに使用するソフト、プラグインを選んでいる?
Skrillex
多くは口コミからだね。僕が知ってるのは、NoisiaはNIのFM8を使ってるってことかな。だって彼らはホント素晴しいプロデューサーなもんで、僕も試してみたくなっちゃったんだな。口コミってのは当てになるよ。だっていつもせわしなく動き回っているもんで、そこに座って新しい機材を完璧にマスターするってのが難しいんだ。Native Instrumentはまあ標準だね。良い意味でね。Massive、Reaktor、FM8、これら皆素晴しいよ。
1つで事足りるような会社あるとすれば、それはNative Instrumentだろうね。Massiveとウェーブテーブルシンセは起動して即つかえるやつだ。オシレーターを開き、ウェーブテーブルをゴチャゴチャいじるんだ。自分のサウンドが欲しい人向けだよね。FMシンセは、特に一番最初から音を作るときはそうなんだけど、とても基本的で、音を組み立てていくのが楽しいんだ。
FM
一年前、未リリースのアルバムがまるごと入ったラップトップとハードディスクが盗まれちゃったよね。どうやってそこから立ち直ったんだい?
Skrillex
立ち直れる訳がないじゃん。あれは単に僕のアルバムが入ってるってだけじゃなくて、僕の4年間の価値ある全作品が入っていたんだよ。心が痛まない夜なんて無いんだから。それでも前進し、新しいレコードを作るんだ。でも正直言って、あそこまで落ち込んだことはなかったよ。
FM
どうやってこんな素晴しいボーカルのマッシュアップを作ってるんだい?
Skrillex
大体のボーカルは自分でやってるよ。2,3のボーカルサンプルはおいといてさ。レコーディングは全部、SaffireとSM58で済まし、沢山のプラグインをかけていくのさ。正直言って、ボコーダーはそんなに使わないね。僕のボーカルは通常メロダインを使い、他の沢山のプラグインで処理するんだ、サウンドを奇妙にする為にね。ギターにボコーダーをかけて、フォルマントをごちゃごちゃにしたりもするね。それって結構カッコイイんだけど、やっぱりボコーダーをボーカルには使わないね。
- Future Music 2012 6月号 掲載-
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Future Music 2012 6月号 Skrillex その1

風変わりな背徳者からUSダンスシーンの顔になるに至るまで、Skrillexの名声はとどまるコトを知らない。Hamish Mackintoshはその絶え間なくツアーを続けるEDMのヒーローを掴まえ、彼の最新のプロダクションについて聞き出した。
ユビキタスな存在であるSkrillex - Sonny Mooreはおそらくは電子音楽業界随一のハードワーカーだ。容赦ないツアースケジュール、スピーカーを唸らせるプロダクションテクニック最近のリリースである、More Monsters and SpritesとBangarangもまた彼の評価をサウンドデザイナーとしての評価を強固なものにすることにしかならない。過去18ヶ月間、アメリカで盛り上がりを見せるEDMの、最も目立つ顔役として奉仕してきた。それは単に田舎の人間に音楽をもたらしているとかじゃない。彼は世界中の巨大ホールで、聴衆に音楽を売り続けているのだ。The Doorsの残存メンバーに関与した最近のプロジェクトにおいて、3つのグラミー賞を受賞し、その他沢山の素晴しいコラボレーション、大規模なライブショウが進行中だという。どうしようもないことだが、24歳の若者が、その短いキャリアで今までのトコ成し遂げたことは、感銘に値する。我々はアメリカでずっとツアーをしている彼を捕まえ、ライブショウ、ツアーしながらのプロダクション、そして多忙を極めたスケジュールに関して話を聞きだした。
FM
永遠にツアーをし続けているかのようだね。どんな調子だい?またツアーによって楽曲制作の流れが何か変化したり展開したりするの?
Skrillex
とってもいい感じだよ。 沢山の未リリースの色んなパーツを作ったし、それを使ってプレイするんだけど、良い感じに仕上がるだろうね。僕はいつもツアーで回ってるモンで、常に新曲をライブで披露しようと心がけてるんだ、正式リリースの前にね。それは何よりも必要なことだね、だってスタジオのイスに座って、他のプロデューサーがやってる様にちゃんと作業する機会が無いからさ。去年の後半はたった4日しか家にいなかったんだよ。そのうちの1日は地元のショウの出演だったしね、ちょうどぶらついてた時にさ。
FM
てことはツアー中、小さなセットアップで制作をしてるってことだよね?
Skrillex
そうなんだ。MacbookPROに Ableton Liveを走らせて、小さなKRKのモニター、Focusrite Saffire PRO14のインターフェースを使っている。ちょうど2オクターブ幅のAlesisのMidiコントローラーを手に入れてね、それって僕が絶対に使わない様に見える類のものなんだけどね。だって結局はマウスで全部描いちゃってるからね。あとギターも手に入れたよ。Abletonは大好きだけど、大量の他社製のPlug-Insやソフトシンセも一緒に使ってるんだ。僕は昔Fruity Loopsでプロデュースを始め、次にReason、でProToolsを学んだんだ。でも僕はそれが嫌いだったモンで、Ableton Liveを手に入れたんだよ。ホント、信じられないくらい直感的なんだ。
FM
最近、Fruity Loopsはチェックしたかい?よりパワーアップしたFL studioのことだけど。
Skrillex
Fruity Loopsは素晴しいソフトだけど、今僕はMacユーザーなもんで、使えないんだよね。僕はWindowsで始めたんだよね、クリスマスに入手したやつ。でも今ではMacユーザーだ。そうでなければFL Studioでジャム出来るのを気に入ってただろうね。ヨーロッパではまだ沢山のPCユーザーがいるよね、素晴しいサードパーティ製のソフトが使えて、クールなことさ。僕がスタジオでNoisiaと作業し始めた時、彼らは大量のイカれたプラグインを使っててね、僕がお目にかかったことの無いようなヤツね。PCであればイカれたフリーウェアを導入できるけど、Macだとそれが無いんだな。
FM
Kill Everybodyの頃から機材のセットアップは結構変った?
Skrillex
そうでもないよ。まあ主な理由としては、スタジオに座って、どんな感じに機材を変えようかなって考える機会が全くなかったってことかな。僕ってそもそも全くDJじゃ無いんだよね。それって言うなればツアーを開始する時に一度にまとめて出来るようにしたって感じなんだ。もともと音楽を作ったり、プロデュースをしてて、でDJもしなくちゃいけなくなったって感じだよ、だってツアーにハマっちゃってるからさ。今でもプロデューサーであることと、DJであることってなんなのか理解しようと試みているんだよ、、正直言ってね。まあそれも解決しそうな感じかな。とってもハッピーで興奮するのさ。
FM
ほんで君のライブスケジュール、死んで初めて休めるみたいな感じだね。
Skrillex
おいおい、君には分からないよ!時にはそれってフライトのスケジュールなんだ、僕をグチャグチャにしちゃうのはさ。ブダペストのフェスティバルでプレイして、ホテルで1時間睡眠をとり、んで翌朝南テキサスに向かったんだ、次のフェスティバルのサウンドチェックの為にね。マジでイカレてるんだよ。少なくても移動とかそんな感じのモンの為に1日8時間は使っちゃってる見たいなんだ。その8時間分だけ人生の時間が飛んじゃってるんだよ!皆僕が時差ボケに参ってないか、いつも聞いてくるけど、それが当たり前になっちゃってるみたいだね、僕にとって。まあそれのお陰で常に結構疲れた状態なんだけど。
FM
君のKRKのモニターは君の手荒い扱いに耐えなくちゃいけなかったんじゃない?
Skrillex
そう、、、(笑)最新のEP、More Monsters and Spritesを作ってたとき、パパっとやっちゃったモンで、実際のトコ、右のスピーカーが飛んじゃってる状態でやってたんだ!まあその曲の音には満足してるけどね、
FM
君はその獰猛とも言うべきエディットスキルでもって名声を得てる訳だけど、それって全部自分で習得したものなのかい?
Skrillex
まあ大体そうだね。僕がPro Toolsを使っていた頃、僕にはまあ、メンターとも言うべき友達がいたのさ。ミックスの基礎に関してね、コンプとか、EQとか。彼はロックのプロデューサーだったけどね。だもんで間違いなく、音の方向性が違っているはずだよ、今僕が目指しているものとはね。
もし僕の作業風景をみるなら、思うに既存のやり方と結構異なったものだと思うよ。だってそれら全部独自に習得したもんだからさ。従来のプロダクションの理論を、僕は学んでないからね。僕はある種ガンコな性格なんで、その点で僕がやってることは間違いなく「プロダクション」とは見なされない類のもんで、単なるノイズとも取られかねないだろうね。でもそれは間違った見方なんだけどね。
制作時に、無駄無く、既成のとは違ったやり方でやるってのが好きなんだ。でラップトップ上で注意深くレコードを作っていくのが好きなんだ。でスピーカーをブロウしちゃうっていう。
- Future Music 2012 6月号 掲載- 続く
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Future Music 2011 12月号 Dada Life その4

“実際トラックを作って、それをCDに焼き、外のクラブでプレイしてみる。でプレイ中に気が付くんだ、スウィープとかクラッシュとか全部入れ忘れちゃってるってのをね(笑)。”
FM
アイデアはどこから来る?
Stefan
あらゆるところからさ。例えばDo the Dadaって曲をランチの最中に始めたんだ。だって使っていたフォークがいい感じの金属質の音を鳴らすもんでさ、それでテーブルを叩くとね。なもんでその曲を近くで聴いたら、フォークの音が聞けるよ!
Olle
ほとんどの場合トラックをどうしたいかって、抽象的なコンセプトはあるんだよ。まず最初作る前に、頭の中でトラック全体が聞こえるんだ。ここでStefanが「これをいれなきゃダメじゃない?」って言うポイントまでもね。それらが頭の中で聞こえてきて、僕は決めるのさ、「いや、そりゃ良くないでしょ?」ってね(笑)
Stefan
面白いことは、僕らは一緒に沢山の作業をこなしてきたもんで、絶対に必要になるパーツ、例えばクラッシュシンバル、ノイズスウィープ、ビルドアップ、フィル、とかそれらを入れ忘れちゃうことがあるんだ。だってこんな感じの明らかに必要な箇所は、作業中に頭の中で聞こえちゃうんでね。実際トラックを作って、それをCDに焼き、外のクラブでプレイしてみる。でプレイ中に気が付くんだ、スウィープとかクラッシュとか全部入れ忘れちゃってるってのをね(笑)。いつもそれらを入れるのは最後なんだ、だってもしクラッシュとかエフェクトとか抜きで良い曲を作れたら、実際それらを入れるときにはすごい曲になるってのがセオリーなんでさ。
Olle
そう!ステーキのソースみたいなもんさ!入れ忘れなきゃね(笑)
FM
20年後、自分らはどうなってると思う?
Stefan
分からないね、20年でダンスミュージックがどうなっちゃうかなんてね。
Olle
進展が早すぎるよね、このちいさな円の内部でさ。次々に影響を与えて、スタイルを繰り返してね。総じて、サウンドはより大きく、クリアに、そしてより良くなってるよね。たった5年前のトラックと今のトラックを比較してもさ。プロダクションにおける質の違いは驚くべきもんだよ。
FM
今の完成したトラックってとても複雑だよね、オートメーションとかエフェクトとかさ。それじゃあとDJがやるべき残されたことって何かな?
Olle
シャンパンを飲んで、バナナを食べて、ステージからダイブする。。。簡単だね!
Stefan
基本的に僕らはどれだけ沢山の人がバナナのコスチュームでクラブに来てくれるか、それによって自分らがどれだけ成功してるか測っているんだ。
FM
じゃクラブに来る人が100%バナナの格好になる時が、君らの引退時かい?
Stefan
そうさ!ハロウィーン時にサンフランシスコで40,000人の前でプレイしたことがあって、僕たちは2人でバイキングの女の格好をしようって計画してたんだ。でもショップに行くと、その服装は置いてなかった、なもんで替わりに膨らませて使う、太ったオランダ人女のコスチュームを、何も考えずに入手したんだ。それがいかに暑苦しいか知らずにね。自分の全人生で、あそこまで汗をかいたことはなかったよ。前もってそれに気が付かなかったなんて信じられないね。
(機材紹介)
Roland XP-80
コレはポップを作るのにはいい感じのキーボードだったよ、でも今では単なるMidiキーボードとして使っているけどね。
API500 Modules
僕らがコレを買ったのは、あらゆるものをこのEQとかに通して使おうってアイデアからなんだ。そしたらサウンドが素晴しいものに、そしてファットになるかなってね。でも余りにややこしいもんで、結局一度も使ってないんだよね。
Akai APC40
かつてはライブショウとかで沢山使ったよ。作りは結構頑丈だね、あそこまで雑に扱われても大丈夫だし。
- Future Music 2011 12月号 掲載-
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