人はいつから ロマンス を手放すのか | 人は話さずにはいられない「トークケア」

人は話さずにはいられない「トークケア」

栗原未来主宰 日本発の思いやりを形にした”トークケア”。
より多くの方に楽しんでご利用頂けるよう、
スタッフやサービス、その他皆様のライフスタイルに
有効なご案内をしております。

今年もまた高い空や色づく紅葉を引き連れて
秋が帰ってきました。

夏とは明らかに違う空や木々の緑の色。

10代、20代の頃、夏に芽生えたロマンスは
秋に熟成し、冬には遠赤外線よろしく
身も心も暖かく包んでくれたものです。

しかし、大人になるにつれ、
ロマンスは日常から姿を消していきます。


私たちはいったい、いつ見失ってしまったのでしょうか?

結婚した時?
離婚した時?
出産した時?
転職した時?
30代、40代になった時?

もとい、「ロマンス」っていったい何なのだろう。
単純に「恋愛」だけではないはず。
でも「夢」や「希望」とも違う。

私のニュアンスでは
「夢」や「希望」は未来の先にあるもの。
ロマンスは現在進行形で、お隣にあるもの。

大人になるつれ
現実を生きていく上で
「夢」や「希望」は将来の目標や目的として
いつでも掲げることができるし、
今、そばになくても良いもの。

でも、ロマンスは違う。
今、浸りたいもの。
いつも感じていたい。

ロマンスは耽溺したいもの
ロマンスは照れ臭いもの
ロマンスは特別な世界
そして
ロマンスはいくつになっても
本当はそばにいて欲しいもの。


それは浮気とか婚外恋愛を
意味するものではなくて、
実態が無くても良いもの。

私の好きな本に
レイ=ブラッドペリーの
「たんぽぽのお酒」があります。

14歳の少年のひと夏を描いた作品です。

その中に95歳の老女と31歳の青年の
プラトニックな恋愛が鮮やかに
そして切なく描かれています。
「オールドファッション・バニラ・ライム・アイスクリーム」
2人を結びつけた甘美なディテール。

舞台は1928年。
自分の死期を悟った老女は青年と未来の約束をします。

1985年か1990年の夏、
21歳の彼女は彼と出会い

2人を結ぶ合言葉は
ある変わった名前のアイスクリームよと

彼に告げて彼の前から消えていきます。

そう、95才でもロマンスを享受できるし
経験を重ねたからこそ、
心の底から純粋に
味わい尽くすことができる気がします。


私たちの脳はとても素敵なギフトを
作り出す能力が有ります。


「妄想」というと人はネガティブな
イメージを抱きます。


でも、「ロマンス」ならどうでしょう?

いい大人がみっともない?

いいえ、そんなことはないはず。
誰も憧れる、本当に傍に置きたいもの。

だからもし、手放してしまっているなら
すぐに取り戻してほしい。

あの日、あの時どこかに置き去りにした
ロマンスのかけらを
あなたの心にまたそっと置いてみてください。


そっと息を吹きかければ
すぐにそれは広がりあなたを包んでくれるはず。

今年の秋はボルドー色のロマンスと共に
お過ごしくださいね。

by K