過去、そして現在に至るまでに。
カウンセリングをしていると
「親から愛された記憶がない。」
「誰からも一番に愛されたことが無い。」
少なからず耳にする、ちょっと切ない言葉です。
でもそれが「事実」であるかどうかはわかりません。
本人が望むように「愛されなかった」だけ
かもしれませんし、
本当に愛されなかったのかもしれません。
でも今「あなたがそこにいる」という事実は、
あなた以外の誰かが生まれ出たばかりの
無力なあなたに対して
「生命を維持できるような行為」を
してくれたことを意味します。
新生児にミルクを飲ませるのは
とても気を使います。
首の座らないふにゃふにゃのあなた。
しっかりと頭を手のひらで固定して、
きちんと吸えているのか、ちゃんと飲みこめたか、
空気が入ってしまっていないか、
授乳の間、その誰かはあなたの様子をずっとうかがっていたはず。
そこには気遣いや思いやり、そして愛情が有ったはずです。
私は人には「絶対的な愛の経験」が必要だと考えています。
それはまさしく母性に近い形で。
何が有ってもその人は自分を裏切らない、愛し続けてくれる。
そこには何の不安もなく猜疑心などが入る隙間もないような。
それでは「愛された記憶の無い」人はどうしたら良いのでしょうか。
「過去と他人は変えられない」と心理学では教えられます。
しかし私は内心そうは思っていません。
過去の記憶を塗り替えることは出来るのです。
自分に冷たかった両親がいたとします。
しかしあなたがその時期の両親の年に近づいた時、
または同じように子供を授かった時、
あなたは自分の両親の「本当の姿や気持ち」に気づくかもしれません。
ひと雫の愛情もなく子育てができるものなのか。
きっとそれはできないこと。
あなたが転んだり、ぶつかったり、どこかから落ちないように
見ていてくれたはず。
あなたに大きなやけどや傷跡がたくさんありますか？
暑い日には脱水症状にならないように
水分補給してくれたはず。
ハイハイからつかまり立ちになる時、
手を取ってくれたはず。
あなたの過去のキャンバスはあなたにしか彩れない。
塗り替えられるなら、塗り替えた方がきっと幸せ。
あなたの想像力で、あなたの好きな色に過去を彩るのです。
私たちが今ここにいるのは、
どこかで「愛」に巡り逢えたから。
きっと、そう。
絶対に、そうなんですよ。
All Love K