RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~ -8ページ目

RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~

こンな髪形してますが、アラフォーのおっさんです。
このブログでは、過去に体験した奇妙な恋愛話を綴ってます。
一部不快な表現も含まれておりますので、予めご了承ください。

『リンくん!助けて!!』

――な、なンだぁ!?

電話

それは、私が梨乃さンの彼氏となってから3週間が過ぎた、ある土曜日の夕方のコトだった。
梨乃さンはO市の繁華街で風俗のバイトをしているが、本業はS市民病院で働く現役ナースだ。
ナースの勤務シフトは主に準夜勤で、夕方から深夜までの勤務だった。
バイトの方は電車で通勤しているが、病院の方は帰りの電車が微妙な時間帯なので、梨乃さンはいつも自転車で通勤している。
そして、今日はその病院の勤務日だったが、突然梨乃さんから電話がかかってきた。

「梨乃さン、いったいどうしたンですか!?」

『ひったくりに遭うたの!
何もガメられンかったケド、カバンを引っ張られたけン、自転車ごと倒れたのヨ。
あちこち痛くて動けンの・・・・』

「わかりました!スグに行きます!
場所はどこですか?
それから警察にも・・・・」

私は携帯で話しながら慌ててガレージに向かい、カーナビに住所を打ち込ンだ。
おそらく40分以内には到着するだろう。

――大丈夫かな?無事だといいンだけど・・・

私は興奮のあまり眼が眩みそうになったが、落ち着いて慎重に目的地までクルマを走らせた。
ところが、目的地まであと5分の位置に来ると、再び梨乃さンから電話があった。

『あ、リンくん?
ごめんネ、今、病院にいるの。』

――え?なンで??

『近くにいたヒトが警察と119番に通報してくれたみたい。
それで、救急車で近くの○○病院に運ばれたのヨ。』

「わかりました。では、その病院に行きます!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ショットバー

『今日はありがとう♡
リンくんが来てくれたから、ウチ、そーな心強かったワ♡』

ここは梨乃さンの自宅近くにあるショット・バー。

梨乃さンの怪我は軽い打撲と擦過傷で軽傷だったが、治療よりも病院に来た警察に事情を伝えるコトに時間がかかった。
梨乃さンは恐怖で気が動転していたのか、同じコトを繰り返したり、肝心なコトを間違えたりしていたが、この店に来てからようやく落ち着いたようだった。

「でも、いいンですか?
今日はお酒なンか飲まない方が良いと思うンですが・・・」

『いいのヨ。こンな傷くらいへっちゃら!
それに、思いがけずにお仕事を休めたでしょう?
だから、今夜はリンくんと飲み明かしたいの♡』

さっきまで顔面蒼白だったクセに、もうすっかり安心したようだった。
しかし、思ったより軽傷だったので私も安心した。

「ところで、梨乃さンって出身はどちらですか?
ときどき私の知らないコトバを言ってるンだけど。」

『あれ?言ってなかったっけ。
ウチは高校まで熊本で、看護学校は鹿児島。
そンで、就職でこっちに出てきたの。
でも、こっちに来てからもう10年以上ヨ。』

――なるほど、九州出身だったのか。道理でお酒に強いワケだ。

梨乃さンは普段は私とほぼ共通したイントネーションで話しているが、感情が昂ったり興奮するとつい方言が出るようだった。
しかし、私としてはその言葉が出る方が、逆に魅力的に感じていた。

『そンなコトより、さあ、もっと飲ンでヨ♡』

――こりゃぁ、いつもより長引くンじゃないかなぁ・・・
ま、帰りは運転代行を呼ぶとするか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パーキング

もう2時間以上は飲ンでいただろうか。
いくら軽傷とはいえ、打撲で内出血しているカラダにコレ以上のアルコールは症状を悪化させる原因となるハズだ。
私は嫌がる梨乃さンを宥めながらバーを出た。

梨乃さンの自転車は警察が署で預かっているらしいので、私は梨乃さンに肩を貸しながら徒歩で送って行くコトにした。
梨乃さンの自宅はこの近くのマンションのハズだった。

『あ、ちょっと待って!
帰る前にリンくんのクルマに乗せてヨ♡』

「い、いや、私も飲ンでいるから運転は出来ませンヨ」

『いいの。ちょっとクルマの中で酔いを醒ましたいダケだから♡』

私は渋々クルマを停めたガレージまで梨乃さンを抱えて行き、そして助手席に座らせた。
そして、ドアを閉めて運転席のドアを開けると、いつの間に脱いだのか、梨乃さンは下着姿になっていた。

下着

『ねぇ、家まで待ちきれないのヨ。ここでしまショ♡』

――え、え、え、えええええ?
こンなトコで、そがん いやらしかコト、でけンばい!



私の名はRIN。
恋の傷跡はもうカサブタになりかけた34歳。
梨乃さンを暴漢から守れなかったうえに、今から梨乃さんに強姦されそうな、緊張のあまり九州弁が感染ってしまったサラリーマンだ。


つづく




『もうお店には来ないでネ。絶対に来ちゃダメよ!』

――え?ひょっとして嫌われた?

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ココはO市の繁華街にある焼肉レストラン。
前回のBARの出来事から2週間あまり経ったある土曜日の昼下がり、2人はこれからランチを楽しもうとしていた。

私はあの日から毎日欠かさずメールを送り続けていたが、梨乃さんは必ず返事をくれていた。
数多くいる客のひとりとして扱われているのかもしれないが、女性とメールのやりとりなど絶えて久しかったので、楽しい毎日を過ごせるようになってきた。

今日のランチデートも梨乃さんからのお誘いで、私は喜び勇んでこのお店にやって来た。

『この前ネ、お店の帰りに変なサラリーマンにナンパされたの。
今日もココに来る途中、話しかけて来たのヨ。
なンだか気持ち悪いわぁ』

「あ、じゃあ、アタシの彼氏は格闘技の黒帯ヨ!って言ってやればどうですか?」

私はさりげなく告白してみた。
だが、梨乃さんは笑いもせずに真剣な眼差しでこう答えた。

『もうお店には来ないでネ。絶対に来ちゃダメよ!』

――え?

ちょっと軽薄すぎたかと反省して狼狽えていると、次に梨乃さんはこう言った。

『何をばたぐるの?
だって、彼氏だったらもうお店に来たらおかしいとや?』

「ええ?で、では・・・」

『知っとっと?
焼肉を食べにくるカップルって、ほとんどデキてるらしいのヨ♡
ウチとリンくんだって、そうでしょ?』

「あ、ありがとうございます。
彼氏にしていただいて、ホント光栄に思います!」

『大袈裟なコト言って。ウフ。
こちらこそ、よろしくネ♡』

あのマンションを出るトキに、この冬が終わるまでに何かを見つけようと思って、はや2年が過ぎた。
ようやく私にも春がやって来たようだった。

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それから・・・

ランチデートでワインをガブ飲みするワケにもいかないので、2人は早々に店を出た。
梨乃さんはカラオケが大好きだと言うコトで、梨乃さんの行きつけのお店へ向かった。

ところが、途中でシ○ックスやジャ○カラがあったのに、梨乃さんはソコを素通りして歩いて行く。
辺りはだんだん人通りが少なくなってきて、とうとう目の前はラブホ街になった。

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『着いたワ。どう?豪華でしょ♡』

――え、え、ええええ?
コレってラブホですがナ!


私の名はRIN。
恋の傷跡にようやく薄皮がはりだした34歳。
カラオケを歌うハズが、梨乃さんに喘ぎ声を絞り出されるハメになり、緊張で声も出ないサラリーマンだ。


つづく

「いらっしゃいませ。岡田 倫サマですね。お連れ様は奥の部屋でお待ちです。」

――えっ???なンでオレの名前を知ってるンや???

ここはO市の繁華街のはずれにある、お姉さんが言うにはレストランバー、のハズだ。

レストランバー

さっきもらったメールに返信すると、この店の住所が送られてきた。
私の特技の一つには、住所を聞くダケで目的地にたどり着ける能力がある。
ところが、たどり着いた住所にはレストランなど無くて、あるのはどう見ても分譲マンションだった。
とりあえずマンションの下でメールを送信して確認すると、ここで合っているのでエレベーターで8階まで上がり、そこの806号室に入るように指示された。
目的の部屋には看板も無くて不安だったが、インターフォンを鳴らすと先ほどの店員が出迎えて奥まで案内された。

個室

『いらっしゃい!よく来てくれたネ♡とっても嬉しいワ』

案内された部屋に入ると、ソコのテーブル席には先日逢ったお姉さんが立って出迎えてくれた。

『ごめんなさいネ。ここの場所、分かりにくかったでしょう?』

「いや、場所はスグに分かりましたが、まさか看板が出てないとは思わなかったモンで・・・」

『そうなのヨ。ココは会員制のレストランバーで、一見サンお断りなの。
でもネ、料理の方は最高だから安心してネ♡』

――ははぁ。そういうコトか。

一部の食通の間では、そういうお店に通うコトがステータスとされているコトは聞いたことがあるが、残念ながら私のような下々の人間にはお呼びがかかるコトは無かった。
店の謎は解けたが、私のフルネームを知っているのはどういう理由なのか、今度はそのコトを訊いてみた。

『え、リンくんの名前?
ああ、この前に携帯を見せてくれたじゃない。
リンくんって几帳面なのネ。
名前も住所も入ってたし、ご丁寧に勤務先まで入ってたわヨ』

――へぇ~。あの一瞬でそこまで見てたのか・・・

まさか眞知子サマのように独自の情報網を持っているのでは?と一瞬ビビったが、どうやら違ったらしい。
しかし、それがどうしたと言うワケでもないので、今はこの美しい女性との食事を楽しむコトにしよう。

『とりあえず、ワインは何にする?
それから前菜は?
それから・・・・・・』

こンなお店は初めてなので、私は正直にその旨を伝えて全てをお任せすることにした。
そして、ほどなくワインと料理が運ばれてきた。

ワイン

『それでは、再会を祝して、かんぱーい!』

とりあえず2人はグラスを合わせてワインに口をつけた。

「ところで、誠に失礼なコトを訊きますが、お姉さんのお名前は?」

『あれ?言ってなかったっけ』

「え、ええ。お店での名前しか覚えてません」

『あら、ヤダ。そうだったわネ。
アタシは梨乃、谷中 梨乃ヨ。リノって呼ンでネ♡
たぶんリンくんより年上の32歳』

――ははっ(笑)

携帯には名前と住所、勤務先は入力していたが、生年月日までは入れてなかったようだ。
これは訂正すべきコトなのか、それとも私を年下だと見て誘ってきたのか・・・
まぁ、この件はあとでオリを見て伝えるコトにしよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

バー

『ココはね、オープンした時からアタシが可愛がっているお店なの』

今度もまた高級そうな会員制BARに連れてこられた。
さっきのレストランでは小一時間ほどの時間を過ごしたが、2人とも酒が入るとモノをあまり食べない方なので、梨乃さんはじっくり飲むお店にしたかったようだ。

『マスター!紹介するワ。
こちら、岡田 倫くん。
若いケド事務長サンなのヨ』

――いやいや、梨乃さんより年上ですってσ(^_^

さっきのお店でもさんざん言ったのに、なぜか梨乃さんは信じてくれなかった。

『どうしてそンな嘘をつくの?
どう見たってリンくんがアタシより年上であるハズないじゃない!
よしよし、背伸びしなくたっていいのヨ♡』

とまあ、逆にアタマをなでられる有様で、全く取り合ってもくれなかった。

『さっきのお店でも言ったケド、ここのお店でもアタシのバイトの話は厳禁ヨ』

「も、もちろん!鼻が裂けたって言いませんヨ」

『うふ♡ リンくん、何を緊張してるの?
裂けるのは鼻じゃなくってクチでしょ。
オ・ク・チ。うふふ♡』

――しまった・・・

初めて来るような高級店で、オマケにこンな美人を前にして、さらに酒の酔いも手伝ってか、さっきから言い損ないを連発していた。

『リンくん、ちょっと酔ってきたのかな?
じゃ、酔っぱらわないウチにしちゃわないとネ♡
マスター!ちょっと・・・』

梨乃さんはマスターを呼びつけて、さらにマスターの耳元で何かを囁いている。
マスターは少し顔色を曇らせたが、渋々承知したような感じだった。

『さ、リンくん。アタシお手洗いに行くから、ちょっとついてきて』

――なンで?

女性がお手洗いに連れ立って行くのはよく見かけるが、セレブな女性は男性を伴う習慣でもあるのだろうか?
今夜は初めてのコトばかりなので、私は特に逆らわずに梨乃さんの後ろについて行った。

トイレ
――ほぉ!

梨乃さんが入って行った先をちらっと見たが、さすがに高級店はトイレも広々としている。
私がタマに出張で泊まるビジネスホテルの1室くらいの広さで、壁側に洗面台があり、そして反対側の端っこにちょこンと便座が置いてあった。

『何してるの?リンくんも入ってらっしゃい!』

――へぇ?

私を無理やりトイレに引っ張り込ンだ梨乃さんは、いきなり下着を脱ぎだし、そして私のズボンのベルトを外しだした。

――え、え、え、えええ~~~!!!



私の名はRIN。
失恋の痛手から未だ立ち直っていない34歳。
初めて来たセレブなお店で、セレブな淫乱ナースに手籠にされそうな、なぜか年下に見られている事務長だ。


つづく