待ち伏せ | RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~

RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~

こンな髪形してますが、アラフォーのおっさんです。
このブログでは、過去に体験した奇妙な恋愛話を綴ってます。
一部不快な表現も含まれておりますので、予めご了承ください。

「それじゃ、オレは先に帰るワ。浜ちゃン、あとはよろしく頼むネ。何かあったら携帯にTELして」


お疲れ様でしたぁ!

の部下の声に送られて、エレベーターに向かう私。


今日は水曜日なので、ノー残業DAY、早めの退勤だ。
と言うのも、勤務先は土日が休みの週休2日制だが、水曜日は不動産業者が定休日のところが多く、とうぜンWebに掲載する情報もあまり入ってこないため、私の業務は午前中で完了する。
残った雑用は部下に任せて私はだいたい午後3時~4時には帰っているが、その代り木曜の朝には情報が大量に入って残業になるので、週の勤務時間は帳尻が合うのだが(^^;


ブブッ!ブブッ!ブブッ!
エレベーターを降り、ビルを出ようとすると携帯のバイブレーターが・・・


―――なンやぁ、せっかく出口まで来たのに・・・。何かあったンかな?


携帯を開くと「着信:眞知子」と表示している。

「はい。リンです」
『もしもし~!ア・タ・シ』


―――アタシって、そンなもン、着信見たらわかるがナ・・・


「眞知子サン、どうしました?」
『ここヨ!ここ!』
「え?」
『ほら、見えるでしょう?』

ビル前の車道には黒のベンツML350が停まっていて、その中から眞知子サンが手を振っている。


―――え?なンで?なンで眞知子サンがここに???


私は慌てて車に走り寄った。


『今日はリンに買いもの付き合ってもらおうって思ったの。うふ。嬉しい?』
「は、はい。でも、突然だったからびっくりしました。よくボクの勤め先がわかりましたネ?」
『ふふっ。リンのコトならアタシ、なンでも知ってるンだから♡ さ、リンが運転して♡』

私は眞知子サンと入れ替わって運転席に座り、シートベルトを締めた。


このクルマはSUVで車高が高く視界が良いンだが、左ハンドルはあまり慣れてないのでちょっと緊張する。
しかし、そンなコトよりも、なンで眞知子サンが私の勤務先を知っていたのかが気になる。


『それじゃ、○町にあるスーパー○○に行ってちょうだい』


―――へ?お買いものって、洋服とか雑貨じゃないのか?


『リン!もぉ~! 忘れ物してるゥ!』
「え?なンですか?」
『もうアタシと逢って3分以上も経つのに、まだ1回もキスしてないじゃない!もぉ!』
「あ、は、はい。ご、ごめンなさい」
私が顔を近づけると、眞知子サンは私の頬を両掌で挟ンでキスをしてきた。
『じゃ、クルマ、出してちょうだい』
私は会社の人間に見られてないか、あたりを見回しながら車を発進した。


そして、私の勤務先と眞知子サンの自宅の真ン中くらいにある大型スーパーに到着した。
買い物はほとンど食料品だった。
1階食料品売り場の端から端まで、カートのカゴ2個に満杯の買い物。
ようするに、眞知子サンの家族が食べる食料品の買い物に付き合わされてるワケで、私としてはちっとも楽しくない。


でも、眞知子サンは車を降りてスーパーに入る前に1回、そのあと売り場のカドを曲がるたびに、出口から車に着くまでに1回、車に乗ってまた1回と、数えきれないくらい私にキスをせがンでくるので、そのたびに胸がときめいている。


『さ、これで週末までの買い物は終了。今日はリンがいてるからいつもより早く済ンで助かったワ♡』
そう言われると、売り場で下がっていた気分がちょっと上がってきた。
『アタシね、月曜と水曜はパパの会社をちょっとダケ手伝ってるの。だから、月・水のお店はチーママのサキちゃンに任してるンだぁ』
「パパって、旦那サンのコトですか?」
『違うわよ!私のお父さン。2人の時はオッサンの話なンかしないで!』
「あ、ご、ごめンなさい。」
『パパはネ、宝石販売の会社してるンだぁ。だから海外に仕入れに行く時は、アタシも年に何回か連れてってもらうの。いいでショ?』
「は、はぁ、羨ましいです」


買い物した荷物をトランクに積み込み、2人とも座席に座った。
『さ、じゃ、この前に行った○○○○(ラブホの名前)に行ってちょうだい。リンは今日いっぱい荷物を持ってくれたから、いっぱい気持ちよくしてあ・げ・る♡』
「え?もう6時半を過ぎてるンですケド?」
『いいの。今夜の晩御飯は作って出てきてるンだから。あとは今日中に帰ればいいのヨ』


今日は早く自宅に帰って明日の残業に備えようと思っていたのに、会社の前で拉致され、またもや「お持ち帰られ」状態になってしまった。


『リン!平日もアタシに逢えて嬉しい?』
「は、はい!とっても嬉しいです」
『じゃ、今日はとっておきのコトしちゃうヨ♡』


え?とっておきって、ナニ? ナニ? 私はいったい何をされるンだろう?


つづく