前回の記事に引き続き、成毛眞の『日本人の9割に英語はいらない』を取り上げる。本書を読んでいて、以下の早期英語教育に関する箇所が気になった。
幼いころから多言語と接しているために、どの言語もまともに話せない、理解できないようになる状態を「セミリンガル」、最近では「ダブルリミテッド」ともいう。この問題が語られるときは、なぜか日本に来たブラジル人などの子供についての問題になっているが、日本人の子供が海外に移住した場合も同じ状態になる。日本語だからダブルリミテッドになる、英語なら問題ないというわけではない。
海外で生まれた日本人の子供をバイリンガルに育てようとしたところ、言葉でうまく伝えられずにすぐにかんしゃくを起こすようになるケースもあるという。幼児期に複数の言語を教えるのは、子供の発達や人格形成をわざわざ妨害しているようなものである。仕事の都合で海外に家族で移住するのならともかく、日本にいながら無理やりバイリンガルにする必要はないだろう。
セミリンガルという言葉は本書で初めて知った。Wikipediaには、以下のように記載されている。
二言語の環境にいたものの母語と二言語目の両方において年齢に応じたレベルに達していない者はセミリンガルと呼ばれる。近年は、セミリンガルという言葉が否定的だという意見が増え、ダブル・リミテッドという名称が広まりつつある。ダブル・リミテッドは、日本において帰国子女や日本に住む外国人児童の間に散見されるため、とくに教育関係者の懸案事項となっており、言語学や教育学の専門家による研究が広く行われている。
これらを見る限り、帰国子女にとってセミリンガルは重大な問題のようだ。また、以前読んだ和歌山大学江利川研究室ブログの記事には、"低学年から英語活動を熱心に進めてきた小学校で、英語嫌いが増えている。"というデータが示されていた。
もちろん、幼児期の環境や教育によって、マルチリンガルとして育つメリットは色々とあると思う。国際的に活躍できる可能性が高まることが最初に思いつくメリットだが、それに加えて、バイリンガルはモノリンガルよりも認知力が高く、かつアルツハイマー病のリスクが下がるとThe New York Timesの記事『Why Bilinguals Are Smarter』には書かれている。
私と同じ苦労をしないように、子供には英語だけはしっかり身につけてもらいたいと以前は漠然と考えていた。しかし、知っている情報を総合すると、幼児期の英語教育はメリットよりもデメリットの方が大きいように思える。子供が自発的に勉強したいと言い出さない限り、幼児のうちに英語教育を行うのは止めることにした。
ところで、先日久々にTOEICテストの公式問題集に挑戦した。現時点では、自己の最高スコアを超えるのは無理そうだ。週14時間の勉強を3ヶ月続けたのに、全然効果が現れずにがっかりした。子供が、英語で四苦八苦している母を反面教師にしてくれたらよいのだけれども。。