1月の大量放射能漏洩・保安規定に違反する5件 | DownToEarth

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河北新報の転載 2009年4月3日の記事


再処理工場廃液漏れ 原燃が保安規定違反(河北新報から転載です)

 使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)で1、2月に起きた高レベル放射性
廃液の漏出トラブルで、事業者の日本原燃は2日、廃液が付着したガラス溶融炉の周
辺を洗浄したところ、洗浄水が溶融炉のある部屋の壁に浸入し、部屋の外側の放射線
量が上昇したことを明らかにした。
施設外への放射能漏れやけが人はないという。
 経済産業省原子力安全・保安院は、原燃が正規の作業計画を立てずに洗浄を行った
として、廃液漏れ自体を含め、原子炉等規制法に基づく保安規定違反に当たると判
断。同日、再発防止策を30日までに報告するよう指示した。原燃の保安規定違反は
初めて。
 原燃によると、放射線量の上昇が確認されたのは2月20日で、壁の外側に設置し
た線量計が一時、通常値の700倍を示した。壁からやや離れた作業員が立ち入るエ
リアでは、通常値の2倍になった。
 部屋の壁には内部に電気を通す「貫通プラグ」が埋め込まれており、すき間に廃液
の洗浄水が入り込んで壁の外側近くまで流れていた。貫通プラグは壁の外側から密封
されているため、洗浄水が外側まで漏れ出すことはなかった。
 洗浄作業は専用クレーンの不具合で中断している。原燃は部品交換で復旧させる予
定だったが、3月31日に不具合が再発し、現在、原因分析を行っている。原燃は保
安規定違反について、「厳粛に受け止めている。県民に心配をかけ、大変申し訳な
い」と話している。

2009年04月03日金曜日


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知人の以下へ出席した際のレポートです。

総合資源エネルギー調査会 
原子力安全・保安部会 核燃料サイクル安全小委員会傍聴 4/2


委員の中から幾つか厳しい質問がありましたが、従業員・住民の被曝の危険性についての追及は一つも無かったように思えます。以下、幾つかを紹介します。


・この件は、滴下ではなく、大量漏えい問題ではないのか?


・不溶解残渣の問題性を把握していたのか?
 密度だけでは解決できないはず。もう一度きちんと研究して欲しい。


・洗浄とはどのようなものか?
 電気漏れはないのか?意図的に導電体の存在を隠しているのではないか?
 このような危険性を考慮しないで洗浄は可能なのか?


・水で洗い流した後のものが安全上危険である事を認識して、保安院もきちんと管理 監督していって欲しい。


このような内容であったと思います。

驚いた事に、石井課長(保安院の人?)の口からも、
「私たちの質問に対し、原燃からは6割の返答しか来なかった。組織に問題があると思う。」
という言葉が出て来ました。

引き続いての私たちの追及(被曝問題を含めて)が重要となる事を感じます。



以下、保安院が原燃に出した規定違反指示書のまとめです。(4月2日発令)
(*書いたあとで気づきましたが、保安院のホームページにも載っていました。)

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『平成20年度大会保安検査(平成21年3月2日から19日まで実施)において確認された、
再処理施設における高レベル廃液漏えいに関する保守作業等に係わる貴社再処理事業所
再処理施設保安規定違反に関して、原子力安全・保安院は、貴社に対し、下記の対応を求めます。


                      記


以下の保安院規定違反に関し、組織的な要因も含めて原因を研究し、再発防止対策を策定の上、
本年4月30日までに当院へ報告すること。


1、保安院規定違反が認められた条項


第37条(漏えい検知装置等)第1項  

●(エアリフトパージ空気流量の適切な管理を行わなかった。)


第39条(設備に求められる状態の確認等に係わる措置)第3項  

●(統括当直長は、計装配管の詰まりによって固化セル漏えい液受け皿の漏えい検知装置2系列が動作可能である状態を満足していないおそれがあることを発見したにもかかわらず、判断を明確に行わないまま、当該計装配管の詰まりの除去作業を行った。)


第58条(漏えいを検知した場合の措置等)第1項  

●(統括当直長は、固化セル漏えい液受け皿に液がたまっていることを検知したにもかかわらず、安全蒸気系の起動及び漏えい液(高レベル濃縮廃液等)の回収を速やかに実施しなかった。


第77条(保修作業の実施)第3項  

●(保修担当課長は、高レベル廃液供給配管の取り外し作業について、安全上重要な施設の安全機能に係る保修作業であるにもかかわらず、保修作業計画の作成を行わなかった。
●保修担当課長は、固化セル内洗浄作業について、安全上重要な施設の安全機能に係る保修作業であるにも
かかわらず、保修作業計画の作成を行わなかった。 


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知人のNさん ありがとうございます。


ん~NHKのニュースの中の「違反する5件」とは こちらのことでした。

ニュースの中で どうして「大量放射能漏れ事故」に触れるコメントはなかったのでしょう?

どうして、今回の 「部屋の外の放射線量が700倍を示した」ことに触れないのでしょう?


4/4加筆

「保安規定違反」の通告は 事業免許剥奪 もしくは1年以内の事業停止を命じることができるほど

国の法律上 厳しいものだということです。(Nさんと美浜の会の方のお話)


保安院の態度が急変するほど 「大量放射能漏れ」は重大なことだったとしたら

どうしてNHKはそこから報道しないのでしょう???

取材力 理解力の問題?