早尾貴紀さんのお話を聞いてきました。
基本 現場を見て、感じている人の話か
自分の見たものしか信じないので
なんとなく 早尾さんのお話は聞いてみたいな~と思って。
冷静に今まで見てきたことを教えてくださいました。
女性かと思ったら お若い男性の方でした。
仙台からお見えになっていて、この日の夜行バスで帰られるとのことでした。
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●入植のセオリーというのがいくつかあるらしい。
そのひとつが、ONEになっていこうとする抵抗勢力を分断すること。
(高尾山のドリームキャッチャーの報道を行政が嫌ったわけも これかな?)
●パレスチナでおこった第1次インティファーダ(民族蜂起)以降民衆の求心力となり始めた ファタハ中心のPLOに危機感を感じたイスラエルは「分断」を狙い、ハマスの前身組織に資金援助などの支援を公然としていた。
●その後 1993年にパレスチナとイスラエルの間で交わされた「オスロ和平合意」
これを機に イスラエルは「協力者」としての役割をハマスからPLO(ファタハ)に入れ替える。
占領先に”コラボレーター”というものを送り込むのが入植のセオリーのもうひとつだそう。
オスロ和平合意の内容は”パレスチナ自治政府の代表(ファタハを中心にした)PLO””入植勢力イスラエル”の「相互承認」に過ぎない。
(この時に パレスチナ暫定自治政府が発足します。)
ものでありましたが、
これが和平プロセスの足がかりなのだと国際的な承認までも うけることになる。
内実は・・パレスチナには何のメリットもないもの。
自治区になったことで イスラエルはその地区での保安や経済への一切の責任を放棄しつつ占領状態は継続されたまま。
それどころか
イスラエル地域でのパレスチナ人労働者は排除されはじめガザや西岸地区にはフェンス包囲が始まる。自治区内での経済はまったく機能しなくなる。
PLOは占領地内のイスラエルのコラボレーターとなり国際社会からの援助を民衆にまわさず独占利権としていたようです。
●第2次インティファーダ(民衆蜂起)
PLOのふがいなさに民衆の不満は爆発し再度インティファーダが勃発。これを起こさせてしまったPLOはイスラエルから見切られ自治区へのひどい武力弾圧が始まる。
この後 自治区の政権政党としてハマスが選ばれたのは消去法だったような感じもしました。パレスチナ市民の「オスロ合意の失望の受け皿」となったわけ。
●そのハマスはイスラエルから政権政党として承認されない。
それは1番には「オスロ合意の破棄」を唱え、綱領から「パレスチナ国家の独立」を外さないから。
イスラエルにとってオスロ合意は建前上は 和平プロセスの絶対前提条件本音は 効率のいい占領条件 しかも国際的承認を得ている。
ハマスはイスラエルを国家として認める用意はあると主張しつづけているのにオスロ合意を外すはずもないイスラエルとの関係は 平行線のまま。
今日に至る
なのだそうです。
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以降、質問コーナーで出たお話なので バラバラと話が飛びます。
●この度 国連人権理事会で EU、韓国、日本が停戦呼びかけを棄権したのはパレスチナ代表のハマスが このオスロ合意を破棄しようとしているからなのだそう。
オスロの尊重・・
ODAを使って ヨルダン西岸地域開発などの支援をするにはオスロが必要で占領地であるのはわかっていても イスラエルと一緒にやるしかない、だからそれを破棄しようとしている政府は擁護できないというのが理由なのだそうです。
●今回の一方的停戦について。なぜ 一方的なのか。
イスラエルは絶対に入植地撤去はしたくないのでパレスチナとは一切の交渉をするつもりがなく、全部 一方的に事を進めるつもりだろうと。
イスラエルが本当に欲しいのは西岸地区の方。
南の方の砂漠化しているに近い土地に比べ西岸地区には豊富な水資源もあり 農作にも適した地域なのだそう。
●イスラエル人の90%が攻撃を支持しているのには政府による情報操作が考えられるようです。
日本でされているような報道がイスラエル国内でも同様なのだそう。
でもイスラエル国内にもごく小さいアンチ勢力も なくはないそうです。
正統派ユダヤ教には人為的に国家を求めない、人為的に他民族を支配しない、あるいは どの国家のもとに入ろうとも、同化しないという崇高な教えがあり、この正統派ユダヤ思想の人によるものだそう。
ユダヤ教の人は入信の勧誘をしない。
改宗してユダヤ教に入ろうとする人がいると まず止めるという。
言い換えれば そのくらい排他的な所がありそれがまた シオニズムを徹底させようという思考につながっているんでしょうか。
●イスラエルも いま行き詰まりつつある部分もあるとか。1900年以降
アラブ人労働者に依存した社会構造に危機感を覚えたユダヤ人は
イエメンやエチオピアのユダヤ教徒をアラブ出身のユダヤ人として政策的移民させ、そのような新ユダヤ人移民を低賃金労働者としてきたけれど
現在になってもパレスチナ人の人口比率 20%があまり変わらないのだそう。もう連れてくる新ユダヤ人も少なくなってきて
これ以上の人口調整が難しい という状況だそう。
●ハマスは 激しい反撃があることをわかっていて
どうしてロケット弾を打ち込んでしまうのか?
これは感情的な問題なのかと思っていましたが
自治政府で把握しきれないセクトがいくつも出てきていて
政府ではなく セクトの行為である可能性もあるそうです。
あるいは ロケット弾攻撃が実際にはなかったとしても
イスラエルがデッチあげ、攻撃をしかけることはいくらでも可能なのだとか。
パレスチナ内で ハマスへの支持は揺るがないと見られ
イスラエルに対して 今以上にラディカルになるのではないかと、
早尾さんは見ているそうです。
もっと詳しく、わかりやすくは下の早尾さんの「週間金曜日」に掲載された記事を ご覧ください。
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お話を聞いて 更に”なぜなぜぼうや”状態ですが
もうこれ以上に色々聞く必要もないようにも感じてます。
どちらが悪いとか
どこかに抗議とか
そういう視点ではなく
戦争は どんな理由があるにせよ
国際社会が、少なくとも民衆が認めてはいけないだろうと改めて思いました。そうじゃないと又 なんとか条約があるからってたくさんの人が殺されてる状況を見過ごす事になるのじゃないか。
殺人
建造物破壊環境破壊民族分断・・・
ありとあらゆる罪を重ねる戦争というものに反対する世論。平和を求める雰囲気を世界中でつくっていくのがいいなあなんて思うのであります。
この戦争のことを知るほどに
青森のこと
再処理工場のことが益々気になるようになっています。
【早尾さんの書かれた記事】早尾さんのお話はまた聞かせていただきたいかも。