すこし前に 鎌仲ひとみさんという映画監督のトークイベントに参加しました。
鎌仲さんは 「六ヶ所村ラプソディ」の監督です。
次は 脱・炭素・核エネルギー 向・持続可能な社会へというテーマで作品を撮るとのことで
すでにそれを始めている スウェーデンへ取材へいらして
その報告大会でした。
「2020年 石油依存ゼロビジョン」 というのを国家目標に掲げて
1990~2005までに様々 政策転換をしてきたそうです。
・炭素税・エネルギー税の導入
・再生可能エネルギー発電方法への補助金
・地方自治体へのインフラ助成金
・廃棄物処理に関する規制と課税
・バイオ燃料の免税
など 全部聞き取れなかったのですが とにかく石油依存することが負担になるような
政策をつくっていきました。
鎌仲監督はこれを
「最大の国家安全保障である」と表現しました。
だな~と思いました。
このような政策転換へのきっかけとなったのは
癌の専門医の カーリ・ヘンリク・ロベール博士の提唱によってでした。
それは環境保護団体「ナチュラル・ステップ」として 今活動を拡げています。
カーリ博士は 「地球温暖化の抑制」と「経済成長」は 同時に達成できるとしました。
日本でも エネルギー使用の制限や 抑制は経済成長を妨げる と言う人もいますが
カーリ博士は そうは考えませんでした。
そして その両方の目的を達成するにあたっては 「4つのシステム条件」を遵守するべし
というルールを設けました。(システム条件という言葉はわかりにくいなあ~)
1・地殻から掘り出した物質が、自然界に増え続けない。
2・人間がつくり出した物質の濃度が 自然界に増え続けない。
3・自然を物理的に劣化させない。
4・人間の基本的ニーズを満たす。
つまり 経済成長を果たす大前提として 自然宇宙の保護・共存をあげているのです。
この提唱をカーリ博士は スウェーデン国王、外務大臣、環境大臣、首相、トップ企業
アーティスト、サラリーマン、学生などに 送りました。
すると 国王始め、これを受け取った人が「これはいい!」と賛同を得まくり・・・・・
政策転換にまで至った、というわけだそうです。
なんという想像力の豊かさ。受けた皆さんもね。
これに拠り スウェーデンでは1996~2006年に
CO2の 8.7%削減 かつ
GNPは44%アップ を実現しているそうです。
この考え方は 様々な自治体が採用しはじめています。
アメリカの中央政権に嫌気のさしている地方自治体のいくつかや
イスラエル
フランス(原発とのバランスが疑問ですが・・・)
ケニア
あと聞き取りきれませんでしたが。
もっとも日本とスウェーデンでは色々違いはあります。
人口は900万人
地方分権がすすんでいて 民主主義が徹底している。
(これは違う方に聞いたのですが デンマークも同様の民主主義の成熟した国家だそうで
デンマークの環境の専門家 jorgan/s/norgard さんだったかな・・・が言うには
民主主義って多数決ではないのだそうです。最後の一人が納得するまで
徹底的に話し合うことだそうです)
また200年間平和が続いているけれど 人々が平和ボケしていない。
「思考停止していない」と鎌仲監督は表現しました。
「ひとりひとりがちゃんと自分の意見をもっているし、またそれを表現する。
マスコミや他人の意見に流されない」
選挙の投票率は 80%台だそうです
持続可能性の高い社会をつくっていくには まず政策転換が必要、
それには 私たちそれぞれも変わっていかなければいけないようです。
これはデヴィッドさんも言いました。
海外の成功例を見ても 白人と日本人の気質は違う。
同じようになれるかは わたしたち自身にかかっているって。
あ、デヴィッドさんはデンマークと日本のダブルの方です。
「ナチュラル・ステップ」のサイト
※1990年から転換したスウェーデンの政策をしても
12基のうち 止めることのできた原子力発電所は2基だそうです。