六ヶ所再処理工場って何してるの? | DownToEarth

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何をする工場で 何が問題になってるか書きますね。
長くなります。
3月に書いていたもので、ちょっと内容が古い部分もあります。

●原子力発電所では「ウラン」という放射性物質を使って、大量の熱をつくり、
その蒸気で 機械を動かして電気をつくっています。
●電気を作ったあとの・・・「ウラン」の使い残りの“ゴミ”からはまだ放射能が出るので 
丈夫な入れ物に入れて 保管してあります。
●そのウランのゴミは捨てる方法がないので、
“ウランのゴミ”が溜まって 保管する場所は無くなってきています。
海外では それをそのまま地中に埋めて処分しようとしていますが・・・
●日本はその“ウランのゴミ”を もう一度加工して、まだ残っている「ウラン」と、
もっと強力な「プルトニウム」という放射性物質を取り出し また原子力発電所で使おう!という 
政府と電力会社が決めた「電気を作るしくみ」のひとつが「核燃料サイクル」です。
●この加工をおこなう工場が 「六ヶ所核燃料サイクル工場」(再処理工場とも呼びます)です。
今テスト運転中で、2008年の5月から 本格的に操業する予定です。
(現在 テストがうまく行かず 延期中)


これが安全にできれば とても「うまい」計画でした。
でも 心配なことがあることに たくさんの人が 気がつきました。
“ウランのゴミ”をもう一度加工するときに
空と海に たくさんの放射能(※1)を捨てることになることを知りました。

こういうと びっくりしてしまいますが、
どうして こんなことを日本の偉い人たちがすることにしたのかというと、
工場は放射能を捨てても 人間に大きな害はないと思っていて、
青森県の人や 日本政府に 報告しているからのようです。
大きな害はない、と報告している内容は、
○空気や海の水はたくさんあるので放射能が薄まる。
○人間の口から入っても 害のない種類の放射能だ。
〇測ってみたら レントゲンから人間が受ける放射能と同じくらいの量だった。
○自然界にも 天然の放射能がある。などです。

でも 放射能や海の研究をしている人は、言っています。

●放射能を捨てる場所の海には海流があって 放射能は海流にのって 
宮城、福島、茨城、千葉の房総半島の一番先の方まで流れ、
その後は黒潮にのって ハワイの方へ流れていく。
●青森県には「やませ」という季節風が海から 陸の方へ吹いているときがあって、
煙突から 空気へ捨てられる放射能は その風にのって陸地に降り、農作物や土を汚染する。
●青森の近海の海藻に 放射能がつくと それを小魚が食べて その小魚を大きな魚が食べて 
海の生き物の中で 放射能はどんどん「濃く」なっていく。そしてその魚を 
人間が食べてしまうことになる。
●工場が計算している 人間が受ける放射能の計算は 一年ごとの計算で 
「どんどん体の中に蓄積される」という点が 考えられていない。
●自然界にある放射能には 人間の身体は対応できるようになってきている。
人工的につくられる放射能とは 人間に与えるダメージ(被害)が違うといえる。

他にも・・・・・
●実は 核燃料サイクルで 取り出せる「ウラン」や「プルトニウム」はほんのすこし(3%くらい)
だと言われる。(東京電力のショールームには95%と書いてありましたが)
再処理したあとも結局また放射能のゴミが出る。
●今「プルトニウム」を取り出しても それを使える 原子力発電所が 日本にはなく、
それができるとしても50年後という予想を政府が出している。
●この工場をつくるのに2兆円がかかっているけれど 本格的に動かしていくと、
それには11兆円もかかると言われ、それは電気代に上乗せされていくことになる。

など もっと考えないといけないことが たくさんあります。
でも ほとんどのみなさんが知らないうちに、動き出そうとしています。
これが動かなくても 電気が足りなくなるわけではありません。
いますぐ 動かさなくても みなさんでもう少し考えてからでも遅くはないのに
工場は 5月から空と海に放射能を捨てようとしています。
(結局また延期で本格稼動はしていませんが、テスト運転中の今すでに放射能は捨てられています。)

被害がでるまでは 全て「予想」かもしれませんが、一番シンプルな現実があります。
「放射能のゴミを処分する100%安全な方法が 世界中どこにも見つかっていない」のです。

「再処理工場を工場を動かさないで」という署名は全国でこれまでに100万人分集まってます。

※1 たくさんの放射能⇒
大気中にチェルノブイリ事故で発生した10倍の放射能
(クリプトンという放射能で比較…すいませんこれはどのくらいの期間のうちにというのがわかりません)、
海洋中に2日に1回 200kgドラム缶に3000本の放射能。
いずれも工場の稼動能力で試算されている予想数字です。

時計

これは『beyond the nuclear age』
という本を見て 今年の3月の終わり頃に書いたものです。

それからまた色々なこともわかってきました。
(でも 読みつかれたら これから後はあとでもいいです。
とりあえず 再処理工場が何をしているところが解ってもらえればグッド!

!!

なかでもビックリギョウテンだったのが
再処理工場ではないのですが
原子力発電所からは 熱くなった炉心を冷やすのに海の水を使ってるのですが
海水を取り込んで 海に戻す時に7℃水温が上がってるんです。
その水の量が 毎秒70トン!なんですって。(100万kwの発電をする場合)
これを温排水(デヴィッドさんは温水と表現しますが。)
で、全国50基くらいの原子力発電所が 放出している温廃水の量ときたら
日本全国の河川の水量の4分の1(1000億トン)という凄い流量。

この量で海の水は温まっているし
あたたまった水が空気中に揮発するときに 二酸化炭素が出るんですって。
電力会社も 「発電時にCO2を排出しません」と
苦し紛れにCMしています。
だから 原子力発電を温暖化対策の為に推進するという政策は危ないんだと思います。

放射能のゴミについては「地中埋設」をしたいと思っているようですが
うちでしてもいいよという自治体はまだ見つかっていないです。
それに地球に放射性物質埋めるって…感覚的におかしいと感じます。
地震国だから地中埋設には適さないとか 容器が何年かすると破損する恐れもあるとか
検証している人は言ってもいます。

でももう原子力発電を続けてきているので ゴミは現実にあるのですが。

メガネ

原発の話になってしまいましたが。
結局 つながっているので原発の問題を知るとますます 再処理もやめようよ~
ということになるのですが
再処理工場がなくても 発電自体はできるので とりあえず再処理止めてくださいという気持ちです。


ちなみに よその国では再処理しているのかどうか、というと
技術的に難しいのとお金がかかりすぎるのと 事故が多発したので止めることになったり、
現在はフランスが軍事用も兼ねて所有しているのみです。