綺麗な夜景が人気なスポット。
多くの人々が夜の輝きを眺めにくる。
が、
美しくデコられた夜景のひとつひとつには、
様々な喜怒哀楽のドラマが展開している。
ある男子大学生のグループが来て夜景を見つめた。
そのうちのひとりが、
「この前のコンビニ強盗あった時、俺知らねえーで奥でデカく響く空砲をお前らにいたずらしたよな。そしたらデカ過ぎた音で強盗気絶したよな」と言うと、
「狭心症の持病があったらしいよ」と横の学生が答えた。
別の大学生が、
「いつだったかな🤔」と考え込むと、
最初にしゃべった大学生が、
「確かアダチエイジが死んだ夜だった」
と言い、
「飯食いに行こうぜ」とみんなはその場を後にした。
男子大学生が歩き去ると、
3人の女子高生グループが来て、
「ナミコが小学生の頃、豚ちゃん貯金箱割ろうとして壁に投げつけたら割れずに頭に跳ね返って来て、逆に頭が割れたわね」と言った。
別のひとりが、
「12針の出血だったらしいよ。医療費が豚ちゃん貯金箱の中身の12倍かかったらしいわ」と答えた。
最初の女子高生が、
「あれいつだっけ?」と尋ねると、
今まで黙っていた女子高生が、
「確かアダチエイジが死んだ夜だったわ」と答えた。
そして女子高生グループも立ち去った。
次に数人の老人グループがそこに来た。
そして、
「望月さん餅好きだから、食って喉に引っかかるよりは、こねられた餅にジャンピングして、餅の中でもがき苦しんだわね」と言った。
すると別の年配の女性は、
「あの時望月さん、半分蓮の花🪷が見えてたそうよ」と口を挟んだ。
もうひとりの老爺(こんにち的ではジジイと表現する)が、
「あれはアダチエイジが死んだ夜だよ」と言った。
そして
年寄りグループは腰を冷やしたので、
連れご不浄へと化粧室に歩いて行った。
すると今度は、
2人の男子中学生が来て、
ひとりが、
「ほら!宅配ピザがなかなか来ないってイラついてたことあったろう?あのできごとの前で」と言うと、
相手は、
「覚えてるよ。宅配ピザのバイクが乗用車と衝突した時の衝撃で俺の部屋にピザが飛び込んで来たから」と答えた。
そして言葉を続けて、
「ピザ屋のあんちゃんが傷だらけにもがきながら俺を指して700円でございます!と言って気絶したっけ」
最初の男子中学生は、
「あれいつだっけ?」と問うと、
相手は、
「さぁ?多分アダチエイジが死んだ夜じゃなかったか?」と言って、
走り去った。
そこに超シビアな女性牧カオリが現れ、
夜景を見つめ、
「今夜も様々な物語が生まれ、夜の光のひとつひとつになるのね」と独りごちた。
そして、
「アダチエイジが死んだ夜は受死日という暦の上では最悪の最悪な日だったことを覚えているわ」とも独りごち、
続けて、
「けど、夜の光と風と反射のきらめきが無数のできごとの証人としていつまでも存在するわ。夜がある限り」と更に独りごちた。
