今回はコーエーの采配のゆくえ のレビューです。


「このゲームはどんなゲームなの?」と聞かれた場合、答えるのは簡単です。

「逆転裁判、戦国時代バージョン」と答えれば作品の80%くらいの内容を伝えられます。


どのくらい似てるかというと、逆転裁判のクリエイターがカプコンからコーエーに移ってこの作品を作ったんじゃないかと思ったくらい。

うん、何と言うか、パクりましたという雰囲気が強いんです。

いっそすがすがしい。

似てる部分をチェックする面白さもあるくらいですよ。


とはいっても、キャラクターはパクリじゃありません

登場人物は歴史上の人物が大半ですし、性格がなるほどくん達にそっくりなわけではないです。

似てるのはキャラクターの立場と演出とシステムです。

あはは…・・ゲームの・胆の部分ですね。

ちょっと順を追って説明しましょう。


主人公は石田光成君。

時代設定は豊臣秀吉が亡くなった後です。

舞台は関が原の戦い。徳川の天下をほぼ決定付けた天下分け目の戦いですね。

歴史に詳しくない私でもこれくらいは知ってます。


さあ、プレイヤーは光成君となって歴史上敗北した戦いに挑むわけです。

そこで大事なパートナーたまきの登場。

プレイヤーと一緒に頑張って、時にサポートしてくれる女の子です。

思いっきり真宵ちゃんですね。

その父親の島左近は千尋さんっぽいかな。

その他、逆転裁判の新作に出てきそうなキャラクター達が続々登場します。


光成君の軍は不利な状況です。歴史では負けてますしね。

敵も強力ですけど、味方の足並みも揃ってません。

光成君を信頼してなかったり、相手の策略にはまって寝返り一歩手前とかね。

そんな状況ですから、状況を打破するために彼は色々な人を説得します。

じゃないと勝てません。

大まかな流れとしてl、逆転裁判の探偵パートのように敵味方の情報を収集して裁判パートに挑みます。

この場合裁判じゃなくて合戦ですね。


どちらのパートでも重要になるのが説得。

探偵……というか、戦略パートではサイコロックだと思ってください。

情報を収集して、証拠として突きつけて相手の頑なな気持ちや誤解を解いていきます。


そうやって戦える状況になり、やっと合戦パート。

ここでは裁判とはちょっと違います。

言葉の応酬ではなく兵をあやつります。

とはいえ、信長の野望のようながっちりしたものじゃなくて、パズルです。

プレイ中に教えられる情報をヒントに、決められた道筋を探り当てる。そういうものになっています。

一部隊の必殺技で一網打尽にするために敵を誘導する、みたいな。


合戦中でも言う事を聞かない味方に対して説得を試みる場面も出てきます。

なるほど君が矛盾を突いてるような感じです。

そして最終的には勝利を目指します。



大まかな流れをここまで説明しましたけど、ここでもう1つ似てる事が。

画面です。

画面に登場するキャラクターの動きの仕方の雰囲気、本性を現したときの雰囲気の変化のおおげささ。

アドベンチャーパートで会話、調べる(注目)、移動のコマンドがあるのは当然ですけど、自分の陣地ではたまきにこれからの事を相談できたりもします。

何より似てるのは操作感覚です。

レスポンスが似てるんです。

ゲームってコマンドを決定したりとかする時に、そのゲームごとに独特の間(タイミング)みたいなものがあるんです。

ドラゴンクエストとファイナルファンタジーの戦闘で同じ「魔法を使う」コマンドを選んでもウィンドウの切り替わるタイミングとかカーソルの動くタイミングとか違いますよね。

それがこのゲームでは逆転裁判の感覚で違和感なく操作できちゃいます。

比べて検証したわけではないのであくまで「似てる感じを受ける」くらいですけどね。


ここまで似てる部分を強調したのにはわけがあります。

これだけ似せているんです。

逆転裁判が面白かった人なら楽しめないわけがない。と思うのです。

逆転の爽快感もそのままですしね。


絶賛しにくい作品ですけど、かなりおすすめですよ。



采配のゆくえ