女「ありがとう、タベイ君。テープ送ってくれて・・・。ぅーん・・・(ゴホン)ありがとぉ~タベイ君、テープ送ってくれて~」

女「はぁ、・・・もぅ、どうしよ~、ドキドキしちゃう。憧れのタベイ君が、私のためにわざわざダビングして送ってくれるなんて・・・もぅサイコ~。こうして私の方から電話するきっかけもできたし・・・、このテープをきっかけに、二人の仲は一気に深まり、秋には結婚にゴールイン!・・・なんてことにでもなれば、このテープは二人の愛の記念品だわ~。あぁ、さっそく聞いてみよ・・・」

(電話)(トゥルルルル・・・)

女「はい、もしもし・・・」

男「(電話)あ、タベイですけど」

女(えぇ、タベイ君!?ど、どうしよ・・・)

女「い、今私の方から電話しようと思ってたトコなのぉ~」

男「(電話)テープ、届いた?」

女「え、えぇ・・・そうそう、あ・・・(ゴホン)ありがとうタベイ君、テープ送ってくれて・・・」

男「(電話)聞いてくれた?」

女「もちろん~、やっぱり・・・あの・・・、最高ねぇ~、東海林太郎は。知らなかったわ~、タベイ君が東海林太郎フリークだったなんて~。私も昔から大好きだったの。おばあちゃんの代からのファンなんだから、もぅ筋金入りよ。も~レコードもCDもなかなか手に入らないものねぇ~。わざわざありがとぉ~」

女「・・・ねぇ~、テープのお礼・・・といってはなんだけど、明日の夜、一緒に食事なんて・・・どう?」

男「(電話)ぁ・・・、ゴメン。ちょっと・・・急用思い出したから・・・また、電話する・・・」

女「ぁ、ちょっと、タベイ君!?ねぇちょっと待って!」

(電話)(ガチャッ・・・プーッ、プーッ、プーッ・・・)

女「ふぅ・・・ま、いっか。タベイ君の方から電話がきたって事は、彼も私に気があるってことよね・・・。そぅそぅ、今度会ったときのために、東海林太郎っての・・・聞いとかないとね」

(テープ)(カチャッ・・・)

男「(テープ)えーっと、タベイです・・・。本当はちゃんと会って話さなくてはいけないのですが、こんなカタチでごめんなさい」

女「嘘・・・やだ・・・。これって・・・愛の告白!?」

男「はっきり言います・・・迷惑だから、僕に付きまとうのはやめてください」

ヒヤマカズヒト作「愛の告白」

出演 入江崇史・雨蘭咲木子