(ジングル)(チャ~ラ~ラ~チャ~ラ~ラ~・・・)
女「ニュースの時間です。まず最初に最悪のニュースをお伝えしなければなりません。日本海上に発生した雨雲は、午前6時過ぎにすっかり消滅してしまいました。実に今日で186日、半年以上もの間、全く雨が降っていません。既に日本全国の水がめは壊滅状態。ダム・貯水池・河には既に一滴の水も残っていません」
男「ただいま速報が入りましたのでお伝えいたします。えぇ~ただいま入りましたニュースによりますと、飲料水を求めて井戸を掘っていた男性3人が足を滑らせて、15mほど下に落下。2人が死亡するという事件が起こりました。なお詳しい情報は入り次第、お伝えいたします」
女「痛ましい事故ですねぇ」
男「えぇ…、もう井戸といっても、どこまで掘れば出るのかわからないような状態ですから、皆さんも無理はなさらないようにして下さい」
女「なおこの事態に関して、総理は今朝ほど、遺憾の意を表しました」
男「それにしても政府の・・・痛っ!!」
女「ぁ、どうしました?」
男「すいません、なんか腕にトゲが刺さったみたいで・・・。ところで飲料水の緊急輸入については、どうなりました?」
女「それが難航しているみたいなんです。他の国でもこの異常事態を警戒して、飲料水の確保に走っているみたいなんです」
男「そしたら、ぁ痛っ!!」
女「大丈夫ですか?」
男「すみません、なんかまたトゲが・・・、なんでだろ・・・?」
女「とにかくもう既に全ての飲食店が閉鎖状態にあるわけで、経済的・・・ぁっ痛っ!!。な、なんかトゲが・・・」
男「ぅ痛っ!!・・・なんだコレ?」
女「痛っ・・・なんでこんなにトゲが?」
男「続きまして、対策本部からの生中継です」
レポーター「対策本部前です」
男「どうです?何か・・・ぃぁった(トゲ)・・・か、解決策は出されましたか?」
レポーター「いやぁ~それがですね~、対策本部に誰もいないんですよ。さっきちょっと覗いてみたんですが、机を囲むようにして何故かサボテンが6つ置いてあるんですけど・・・これって何か意味があるんでしょうか?」
男「ありますねぇ。この話のオチですね、はい」
トキノミノル作「乾いた日々」
出演 入江崇史・雨蘭咲木子