久しぶりに見直してみたが

やはりこの映画、圧巻なのが

アンジェリーナ・ジョリーの存在感。

ファッションも髪型も

肩を揺らすような歩き方も

眉を動かす表情も

煙草をくゆらせるしぐさもすべてが、リサという少女を体現している。

彼女が何かをしゃべるたびに

あの肉感的な唇が、そこだけ別の生き物のように動く。

目が離せない。

とても野性的な美しい獣を見ているような気持ちになり、

彼女の支配に

言いなりになり一言も言い返せなくなる少女たちの気持ちも

わからなくもない。

退廃的だけど自由と残酷さの匂いを放ちながら

圧倒的な「悪」の生命力に耳打ちされているような。

「悪」の魅力を鎧のように

体中にまとっているようなリサだが

そういう人にありがちなように

「悪」と真逆の優しさともろさも持ち合わせている。

攻撃的なのに常におびえている。

支配的にふるまいながら

実は、彼女自身が自らの暴走に縛られているのだ。

リサもいつかあの病棟を出る日が来たのだろうか。

そしてスザンナとまた再会できるのだろうか。