Eテレ「趣味どきっ!」の源氏物語の女君たちの

第4回目は

六条の御息所だった。

待ってました!という感じ。

前にも書いたけど

この人は恋敵を生霊で殺めてしまう恐ろしい破壊力を持つ人。

この人の登場で物語はドラマチックになり

エンタメ性を帯びつつ展開していく。

六条の御息所は

生きているときも

死んだあとも

物語の節目節目に登場する。

生霊を飛ばしてないときの御息所は

至極クールで内省的な人なのに

眠っているときに

彼女の深層心理にある修羅の部分が

暴れだすらしい。

 

漫画の「あさきゆめみし」では

彼女が蜘蛛の巣の柄の着物を

まとっている場面があり

実際そんな柄の着物があるのかどうかは

わからないが、

一度とらえたものを透明な糸でからめとって

離すまいとする、

彼女の内面を表しているような着物で

この人にしか似合わない着物だなあと

印象的だった。

実は

この着物の柄、物語の後半にも出てきて

それはいつのまにか

源氏が着ているという面白いしかけもあったりする。

 

「趣味どきっ」の番組では

彼女が葵上を殺めてしまったかもしれないと

思いなやむ場面で

芥子の匂いが自分にまとわりついて離れないことに

苦しむ瞬間について語られていた。

芥子というのは

葵上が臥せっていた時の祈祷で使われていたもの。

その匂いがつくはずのない場所にいたのに

自分に芥子の匂いがついていたことに気づいてしまう。

なんということをしてしまったんだろうという、

焦りと恐怖・・このあたりの描写も非常にリアルで哀しい。

 

番組でも指摘されていたが

悪いのは源氏側の方なのに

怒りの矛先が

相手の女性の方に向かうというのは

どうしてなんだろう?

現代でも

似たような心理があるかもしれないと思われる。

それはとりもなおさず

「まだ好きだから」なんだな

ということに気づき

この人に同情してしまうのだ。

意外とこの人のキャラは女性に人気があるかもしれないなと思う。