わざと遅刻してみました | 小松拓也オフィシャルブログ「小松拓也の中国記」Powered by Ameba

わざと遅刻してみました

僕はどちらかと言うと規律正しい人間かもしれません。



例えば人と待ち合わせをしていても約束の時間前か定刻に間に合うように行動するというのは基本ですし人に待たされるのは良くても自分が人を待たせるというのは気持ちが悪くて仕方ありません。



と言ってもこと時間の概念に関しては僕個人だけがこういった事を思ったり心掛けているというよりも、日本人ならば大抵の人が大なり小なり同じような感覚を持っているでしょうし日本人の気質や考え方、文化がそういった社会を成り立たせているという事でしょう。






子供の頃からこういった文化や価値観を日本という国で体で覚えてきた僕は思考回路や物事の捉え方に至るまで隅から隅まで日本人である事に間違いありません。




でも現在中国という異国に日本人として生きている僕の毎日の生活の中には沢山の新たな発見や驚きがあるものです。





時間の概念などはまさにその1つです。






上海は渋滞も日常茶飯事だしタクシーやバスを主な交通手段として利用した場合、どうしても地下鉄や鉄道が至るところに張り巡らされている東京に比べて時間を読んで行動しにくいという事情が生まれてしまいます




でもそういった物理的な問題以外にもともと中国人の時間への概念は日本人ほど細かくなくアバウトだという国民性の違いがあります



だからその街の交通事情とは関係なく中国人が待ち合わせより1時間、2時間の遅刻をするケースが稀ではないという事実はある意味中国国内においては常識的感覚なのです。

(当然時間に正確な中国人も沢山いますよ!)







それにあまり時間に細かい事を中国で言ったとしたならば逆に白い目で見られるのは我々日本人の方かもしれません。








国や文化、人種を跨げばこういった様々な価値観や生活習慣の違い、常識さえも時には日本人とは異なるものなんですね。



でも現実にこういった様々な価値観のズレが存在するのに中国に来る前までの僕は何か1つの物事を判断する際にいつも日本人目線で物事を考えていた事と思います。







ここで敢えてもう一度強調しますが世界では必ずしも日本国内での常識が常識として成立しない事があります。








それなのに無理矢理自分自身の世界観という狭い枠に海外のあらゆる常識を当てはめて物事を処理しようとしてきたのです。








最終的に大事なのはお互いが歩み寄るディスカッションを取るという作業なんでしょうが、そもそも相手の事や相手の国の事情や常識をよく理解しないでディスカッションしたとしても時には埋めようのない大きな溝を作ってしまう事もあるのでしょう。



少なくても僕はそういう事を肌で体感しながら今でも中国と言う国の文化や中国人の気質を理解するよう取り組んでいるつもりです。











前置きが大分長くなりましたが、以上の事を踏まえた上で今回実は自身初となるある試みをしてみたんです。



それはどんな試みかというと・・・



















「わざと遅刻してみました!」









お前はバカか?と日本の方には怒られてしまいそうな話ですが、わざと遅刻をしてみるという試みは僕にとってはとってもスリリングでエキサイティングなチャレンジだったんですよ。(笑)




今まで中国で過ごしてきた4年半以上もの時間の中でもわざと遅刻をしたという経験は当然ゼロでした。





渋滞に巻き込まれて仕方なしに遅刻をしてしまったというようなケースを除いてはほとんどの場合、日本で行動してきた以前の自分のルールに則って時間前行動か定刻には現地到着すると言う事を心掛けて来ました。



そんな僕が今回初めてわざと遅刻をしてみるという行動を選択してみたんです。

(相手はある程度気心しれた中国人に対してなので当然遅刻が許される相手ではありました。)








遅刻をするといつも時計や相手の事が気になって仕方なかった今までの僕ですが、今回はわざと遅刻をしたわけだしそういった細かい感情は忘れてみようと努めてみました。








普段中国人にはよく待たされる事の多い僕ですが、あまり彼らを待たせた経験は多くありません。





ここは中国なのだし中国のルールや常識もある。





ならば彼らと同じ感覚で当たり前のように遅刻をしてみよう!




そう思い遅刻を実践してみたものの、何だかんだで相手の事が途中から気掛かりになり、結果的に時計が気になってしまった僕です。








やっぱり僕はどこまでいっても生真面目な日本人なんですね!(笑)







それでも今回「わざと遅刻をしてみる」という作業を試してみる事で、自分の中に完全に出来上がってしまっていた「多少の遅刻すらも許されない」という日本人的常識を自分から打破してみるというチャレンジには成功したわけです。









自分と言う殻を破る事は決して簡単ではないと思うからこそ、今回のような取り組みは意味深い実験だったのかな?






遅刻して迷惑をかけた人には申し訳ないけれど、お陰で少しだけ新たな自分を感じ取る事が出来たチャレンジとなりました。(笑)