レッドカーペットの影響で、

かなり久しく会ってなかった友人からは

「太ったね~。」とメールが来て、

ちょいとだけ会ってなかった友人からは

「痩せたね~。」とメールが来るで

おなじみ星野卓也です。


ただいま近所のワンちゃんが

ワンワン鳴いております。


ですのでワンちゃんにまつわるお話を・・・。


あれは、僕が中学生の時だっただろうか、
近所で飼われていたポメラニアンが、
行方不明になった。

飼い主のおばぁちゃんは、
そのポメラニアンをたいそう可愛がっていたので、
ひどく落ち込み、毎日元気がなかった。

そんなおばあちゃんを見かねてか、
近所の小学生達が、「犬探してます!」という、
そのポメラニアンの似顔絵入りのポスターを作り、
電柱に貼ってまわった。

そんなわけで、僕の帰り道は、
小学生達の書いたポメラニアンがずらずらと並び、
さながら図工の作品を展示する小学校の廊下のようだった。

その日も、ポメラニアンのお絵かきを
眺めながら帰宅していた。

「これは、ポメラニアンっていうか、絶対消防車じゃん!」

なんてありえない似顔絵につっこみを入れていると、
30メートル程先に、一匹の犬が、
きちんとお座りしているのだった。

「あれあれ?!まさか?!」

近づいてみると、おばあちゃんちのポメラニアンではないか!

「ジュン!おい!ジュン!」

そのポメラニアンの名前を呼んでみたが、全くの無反応。
そして、なにかをじっと見つめている。

何をみつめてるんだろう?
ジュンの視線の先を見ると、

「犬探してます!(ジュンの似顔絵つき)」

こ、こいつ、自分の似顔絵見てるよ!

驚いていると、ジュンはトボトボ歩き出し、
次の電柱へ、そして、また、自分の似顔絵を見つめる。
それを、ずっと繰り返しているのだった・・・。


そんなジュンを見て、僕はせつなくなった・・・。

めでたく、ジュンはおばあちゃんの元に戻ったのだが、
ジュンは散歩中も、その似顔絵を見て回っていたらしい。

ジュンは似顔絵を見て初めて

自分が犬であることに気付いたのかもしれない・・・。