Alliance vol.2 / Sabão | 働くくっさん劇場

働くくっさん劇場

ドラマー,作曲家,作詞家の楠瀬拓哉のブログです

去る10/31にSabãoとして1年ぶりの新作「Alliance vol.2」を配信リリースしました。Sabãoとして作った楽曲としては14~16曲目の作品に数えられます。
このユニットを始めた当初、こんなにも積極的に制作をやったりすることは考えていなかったので、Sabãoとしてリリースやライブなどの活動することが出来たお陰で僕の中に変化が生じたということになります。

そもそもは楽曲制作はもとより、ライブ活動というのも、コラボレーションのオファーがあるとき以外はそんなに意識していなかったのではありますが、やはり今年の4月に自分達の意思で考えて創った公演をメンバー、スタッフ、関係者、ファンのみんな含めた多くの皆さんが支持してくれたことがとても大きなキッカケだったと思います。
そんな中、昨年のデビュー15周年の記念日と同じ日に、今年も同じコンセプトでリリースを決めたのはいつ頃だったでしょうか。正確に言うと去年この企画「Alliance」を「vol.1」と名付けて始めた時からこうしたかったのかもしれません。いつかはこの企画が定番になれば良いなあ、という想いをいつかにせず、推し進めるには力が要ります。今年の4月のライブ以降にその力が充填出来たということですよね。

こうして制作を始めた今回の3曲。各プロデューサーにオファーするのも割とギリギリになってしまいました。

「アソビ」はtatsuoさんにプロデュースをお願いしましたが、彼だけ唯一僕が直接良く知る人ではなく、Tamaに紹介してもらう形で実現しました。思えば会ったことも無い僕にいきなりメールでプロデュースのオファーをされ、しかも期日も迫っている中で、tatsuoさんも困惑されたと思います。
しかし微塵も嫌な素振りもせず、すぐに電話で連絡をしていただき、こちらの意図を汲んでくれて、楽曲に新たな命を吹き込んでくれて、そしてご家族との夕食までご一緒させていただき、とても親身になって(ほんとにお兄ちゃんみたいでした)面倒見てくれた感じでありがたく、全てが完了した今一番したいことは打ち上げ(Recの時は自分が車で飲めなかったので)です!
ガツンとロックしていてノリやすくて、早くライブでみんなと育ててみたい楽曲に仕上がりました。生で演奏するのも体力とガッツが要りそうですね。
歌詞はこのときLUIFRONTIC松隈JAPANのサポートを良くやってたので、Voのプールイちゃんがもしも心の中でこう思っていたら、みたいなイメージで書いたところがあります。彼女は僕らの前ではホントいい人なのでどっかでぶっちゃけたりしたい事とか溜まってんじゃないか、って。でもよく考えたら世の中ほぼみんなそんなもんですよね。色々溜まってる。俺だってそうだ。アソビが足りてねーーんだよっっっっっ!!!!と取り乱したくもなります。たまにはね。


「環状線」は今は立派に飲み友達、というか焼き肉友達になりました杉本善徳くんにそれこそお肉食べにいった帰りの車でご相談しました。善徳くんの分析能力と知識の幅広さ、そして人脈の広大さ、さらに飛び抜けたユーモラスといったらプロデュースという全体を見る仕事にぴったりで、僕は前からその能力のおこぼれを与ってばかりというか、いっつもくっついて分け前をもらうみたいな感じで居たので、何か恩返しが出来るチャンス!とも思い、あとずっとその意見を聞くことも辛辣すぎて怖かったのですが、やっと対峙できるようになったかな?という時期となり、あともうすぐ彼は復活公演があるのですが、喉の治療で長くステージから離れているのを知ってたので、何かしら音楽してて欲しいなと思い(タイミングというやつですね。あるんです。ここぞという時が。)お願いしましたところ、彼らしい、奇想天外かつとても理にかなったアイデアをいただき、そこから楽曲の制作が始まりました。
僕のデモ制作時点でのヒントとしては「雨が降ってもサンサンサン~(キャバレーのCM)」とかのサンテレビ(兵庫のローカルTV局)で流れてそうな曲や「やしきたかじん」「悲しい色やね/上田正樹」などの大阪感を意識してました。この部分、善徳くんがミュージシャンみんな大阪出身のGtr中村佳嗣さんBs中村泰造さんでオーダーした時点で共有バッチリだと思っています。
歌詞の部分でも今の流行でいうとコライト(co write)というのでしょうか、随分色々と見てもらいとても楽しく書くことが出来ました。その時はプロデューサーというより、一番最前列のお客さん(ちょっとバンドの歴史に詳し過ぎ)と話してるような感覚でほんと、やり取りが面白かったです。
善徳くんがご自身のブログに書いてくれていたように、この曲に関してはどこかで対談というか、たっぷり二人で語ってみたいものです。何時間あっても足らないと思うけど笑


「MILK」をプロデュースしてもらったえびさわなおきさんは比較的最近知り合った方です。以前から観に行ったことが何度かある「マグダラなマリア」という舞台のシリーズでアコーディオンを生で弾いている人がいるな~素敵だな~と思っていたのが第一印象。それが昨年舞台のお仕事でご一緒することになり、そして決定的にピンと来たのは自分がライブの準備に奔走していた4月初旬、彼のライブに足を運んだ時でした。そのライブでは時にはアコーディオン、時にはセロを交え、時にはピアノで、といろんな普段僕がやっていない演奏スタイル(当たり前か、ドラムが無いもん。)で歌をきかせてもらったんですが、(シャンソンというのでしょうか)朴訥とした中にもしっかりと歌詞の言葉が情景が心情が刺さってくるようなライブで、びっくりしたのを覚えています。
今回プロデュースしてもらうことになって一つ象徴的で面白かったのは、歌詞を早く欲しがっていたことです。今になって思い返せば、歌詞が無いと、アレンジの部分でのどういう演奏をすればいいのかわからない、というように制作方法、手順がまた違うという事だったと思います。何だったら仮歌詞書きましょうか?と言われて、慌てて一晩でラフを書き上げたのを覚えています。(Sabãoの作品は自分が書きたいと今は強く思っているので!笑)セロで参加してくれた青月泰山さん、録りとMIXのエンジニアを担当してくれた競さんとのお仕事になったのもまた自分にとって嬉しい成り行きとなりました。
歌詞は以前にネットラジオでもお話ししましたのですが、娘が産まれてきてくれたおかげで書けた、とても大切なものになりました。



自分もTamaも普段やりたいこと、やるべきことを研鑽し続けるべきであると思うし、(ちなみに僕はひとりのドラマーとしてまだまだ可能性をたくさん追い求めたいし、想像出来ないような舞台やミュージカルも創り上げたいし、いろんな要望にどーんと応えられる作曲家で居たい。)だからといってSabãoは放っといても良いような馴れ合いクラブの場所でもありません。
まったく未知だった在り方も、勇気を持ってひとつ、ひとつと実行することで、必然のように次の道が照らされてくるようなこれまでの状況はやはり恵まれているというか、見守られているというか、やってることや考えてることが間違ってないんだ!と強く自身を持ちなおせる最高の結果だったと思います。
今後もみんなをびっくりさせ、安心させ、笑顔にさせ、ワクワクさせ、、、つまりはSabãoのエンタータインメントをたくさんの人達と分かち合いたいです。一緒に仕事する仲間として、ライブの演者と観客として、ラジオのDJとリスナーとして、、、形がどうあれ、こういう場が常にあるってことをみんなの心の隅っこに置いてもらえたら嬉しいです。


試聴、購入は
iTunes music store 「Alliance vol.2」

特集インタビューやハイレゾ(24bit 96k)音源もご用意があるのは
OTOTOY

MVも作りました。感想などをコメントしてもらえると嬉しいです



実はもう次にコラボレーションをお願いしたいプロデューサーも心の中に何人もいるんです。


最後に恥を忍んで申し上げますが
この企画が続いていけるように購入という形でみなさんも参加して楽しんでいただけますと幸いです。

長いこと読んでいただいて本当にありがとうございます。