映画「すばらしき世界」をAmazonPrimeで見直している。
数年前、コロナの頃に劇場で観た。
西川美和監督、役所広司主演で、おもしろくないわけがない。
絶対観た方がいい映画のひとつ。
↓21年2月公開時に映画を観た時の日記。
この映画と昨日引用した「東大理3」卒医師の穏やかな語り口と、あわせて伝わるのは、「親ガチャ」というか、結局「生まれた環境」「育った環境」で人は決められていくんではないか、という思想です。
「東大理3」の彼は、医師の父と教育熱心な母の元に生まれ、小さい頃から、「勉強漬けが当たり前」の環境の中で育ってきた。本人が言うには、「子どもの基本スペック(もって生まれた才能)」にはほとんど差はなく、学校でも家でも塾でも、「ずーっと勉強」するというのが「普通」だと思って育ってきたからこそ、東大の理3に入ることができたとのこと。それほど「苦痛」みたいなことはなく育っている。
かたや、「すばらしき世界」の役所広司は、親から捨てられたも同然に、児童養護施設で育ち、そこを脱走し、学校にもちゃんと通わず、少年院にも複数回出入りし、その後当然ヤクザになり、何度か服役し、ケンカに巻き込まれ、殺人を犯し、長く刑務所で暮らし、出所後更正しようとしても、なかなかシャバになじめず(世間から弾かれがちで)・・・という一生。これは、実在の人物の手記を元にしたドキュメンタリーに近く、丁寧な取材を元に描かれたガチリアリズム映画なのです。
両者には大きな差がある。
おそらく、幼少期の教育環境に大きな差があるからじゃないかと感じられます。
幼少期のことなんて、本人にはどうすることもできない話で。
自己責任でもなんでもない。
はっきりいって「運」みたいなものじゃなかろうか。
もちろん役所広司も大人になってからは、途中でいろいろ生き方の変更をするタイミングだってあったかもしれないけれども、流れを考えるとなかなかそれも難しかっただろう。
「東京理3」の彼も、単に親の言うことを聞いて、流れに乗ってただけだったと、本人が言う通り。
小さい子どもには、将来の社会のことなんかわからないんだから、「今勉強しておかないと大人になったら大変だ」なんて思う訳ないんで、そこは親が無理にでも勉強させておくしかない。
とにかく「ヤクザ」と「東大理3」の人生を分けたのは、「幼少期の親の教育」が最大の要因のようで、それは本人の努力とか判断とか責任によるものではない。単に「親ガチャ」的な「運」らしい。
「医師」の父の元に生まれるか、「天皇家」の元に生まれるか、「政治家」の元に生まれるか、「大企業創業家」一族として生まれるか、という子どももいれば、「ヤクザ」の役所広司のような事情で生まれる子だっているわけです。
もっというと、アフリカで生まれるのと、アメリカで生まれるのはずいぶん違うし、北朝鮮で生まれる人もいれば、戦時下のウクライナやエルサレムで生まれる子もいる。
どういう環境の中で生まれるかどうかは、その子ども自身が選べるわけじゃないし、どういう親の元に生まれるかも選んでいるわけじゃない。
だから「前世の因縁」がどーのこーのとか、「ツボ買った方がいい」とか、そういう話をするつもりはないのですが、まずは(できることは)子どもの教育は大事だってこと。
あとは、今、自分がちゃんとした環境で生きて行けていること自体に「感謝」が必要かなーと思います。
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