山口県下関市在住の芥川賞作家、田中慎弥さん(39)の直筆原稿が並ぶ特別展が5日、市立近代先人顕彰館で始まり、寄贈作品5点の一部が無料公開されている。
デビュー作「冷たい水の羊」や「切れた鎖」(芥川賞候補作)などを展示。鉛筆で力強く書かれた原稿用紙には、赤ペンで直したり推敲(すいこう)を重ねた跡が生々しく残る。
市が寄贈を依頼したところ、田中さん自ら原稿を持参。学芸員は「『もらってやる』発言ばかり注目されがちだが、文字にあふれる“実直さ”を感じて」。【西嶋正法】
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