恵子さんと俺は、手をつなぎまるで恋人のように寄り添いながらカラオケボックスへと急いだ。
でも、今思えばあのままホテルに行っても良かったのかなぁと思う。
もしかしたら、恵子さんのほうが僕を求めてたかもしれない。
何かと言い訳じみたことを言っていたけど、女性はそういうものだと知るのも今だから言えること。
そのときは恵子さんに言えるわけないけど、ふと我に返った時間があった。
主婦なのに、恋人のように俺と二人きりの時間を過ごしているけど、どうしてだろと・・・。
もちろん、家庭の状況を考えればしょうがないことなのだろうけど、旦那が他の女に行けば、奥さんは違うところに幸せとか喜びを求めるのだろうかとか、この街に他に不倫をしている人はどれくらいいるのだろうかとか、いろんなことを考えていた。
でも、そのときは答えなんて見つかるわけもなく、恵子さんとの時間を楽しんでいた。
カラオケボックスに入った恵子さんと俺は、ひとまず何曲か歌って、恵子さんからリクエストがあり、ある曲を・・・
「たくや、氷室のKISS ME歌って!」
俺は当時、歌手を目指していて日々ボイストレーニングにも通っていたし、それなりに歌も上手く、恵子さんが好んでいた歌手の歌をリクエストされることも少なくなかった。
歌い始めると、突然寄り添って歌を聴くというよりも、いちゃいちゃすることを望んでいるように思えた。
俺は歌いながら、多分歌い終わったらキスをするだろうな・・・。と思った。
案の定、歌い終わると俺と恵子さんは見詰め合って、今まで我慢していた気持ちを発散するかのように熱いキスをした。
キスをし終わると、
「愛してる、恵子さん」と俺は言った。
「たくや、私も愛して良い?」この恵子さんの一言にすっげードキドキした。
普通、告白って「好きです」とかだけど、「愛してる」って言う告白って、めったにできることではない。
しかも、好きな相手から、「私も愛して良い?」って聞かれることなど、現在に至るまでも経験したことがない。
同意を求めてきた恵子さんだったけど、俺は、言葉で返すのではなくて、キスで返した。
もちろん、俺と恵子さんはその後ホテルに行ったことは言うまでもない。
続く・・・
たくや

