記載すべきか否か迷った場合は答案に記載すべきか
論文試験を見て、この項目を書くか否か迷った場合、その項目を記載すべか。多くは採点基準に挙がっている場合には不味いからとりあえず書いておけという方が多いようです。これは試験対策という意味では正しいのかもしれません。また採点表が本試験にはあり、その項目に書いていないことがあっても採点がされないだけで、減点されないから書いておけということが受験生の認識の中にあるようです。
ただそれが真実であるか否かは試験委員ではありませんので、本当のところは判りません。あくまでも受験通説に過ぎないということです。
そのあらわれとして私の時代は、逆に関係にないことを記載すると余事記載であるから、減点になるといわていました。
ただ、採点者が一人ではない以上、当然採点表はあるでしょう。ただその採点表に従った採点でも点数が採点官によって異なるので、偏差値で採点しているのだと思われます。
さて、そのように採点がなされる論文であることから、問題文でこの項目を記載するかどうか迷った場合、どの試験官からも文句をいわれない答案を書く必要があります。
それが迷った場合ともかく書けという方針であるのかというと、私は多少違う感じがします。
先ず、問題文の表現形式(論ぜよ、説明せよ、言及せよ)、あるいは記載項目の数。それらの点を踏まえて配点を読みます。その読んだ配点から書くべき項目を決めます。それでも迷った場合、項目の優先度を決めます。その上で項目のウエイトを決めていくのです。
そうすればその配点に従って、迷った項目は多少触れておくだけで、なお書き程度にとどめる。あるいは、~という点は本問の場合満たしているので~について検討するといった程度(一応は検討したように答案構成をする)、このようにしておけば少なくとも減点対象にはならないと思います。
一番不味いのは、重要項目と同じように記載してしまうことです。これはではいくら項目が挙がっていてもあまりにもその項目の記載薄すぎる。その結果、相対評価にすぎない場合でも、他者との比較で悪い採点になってしまうのではないかと思います。
試験を受ける場合、あるいは答練の際は尚更なのですが、このような点に留意をすることが必要だと思います。
答練はあくまでも練習の場ですから、このようなやり方を取り入れて果敢に練習をして頂ければと思います。
弁理士 佐藤卓也