磨く2 | Technical stories

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技術系の話など


製造から20年以上経ったバイクは結構手が掛かる。

スクリーンは黄ばんでおり、飛び石によるキズも結構ある。

少しでもキレイにできないかと、たくぼん監督とチーフは考えていた。


「たくぼん監督、とりあえずコンパウンドで磨いてみますか?」

「うーん・・・・・・こんなに汚れているし、多少はキレイになるかなぁ?」



 



そんな会話をしていた時であった。たくぼんが何かを思い出してチーフ

に言葉をかける。


「クルマのヘッドライトが黄ばんだ時に使おうと思って、買っておいたモノが

 あるんだ。それを使ってみよう。」

「クルマのヘッドライトですか?」

「そうなんだよ、チーフ。樹脂製のライトの黄ばみをキレイにしてコーティング

 も出来るらしい。ちょっとやってみるか。これだよ。」



 



「ほえ~。とりあえず説明書通りに磨いてみますね、監督」

「よし、磨いてみよう。」


2人は説明書を読むと磨いて磨いて磨いて磨きまくる。


「監督、黄ばみがとれましたよ!」

「ホントだ。でもキズはあんまり消えないな。キズが深すぎるんだな。」

「えーと、急いでコーティングしろと書いてありますよ。」

「チーフ、コーティングしよう。えーと、液剤塗って、ティッシュペーパー

 でふきふきしてと・・・・・・」

「あとは1日くらいほっとけと書いてありますよ。」



 



「チーフ、どこかで乾かしておいてね。」

「了解です。監督。」




何かを思いつめたようにぼそっとチーフに話しかけるたくぼん。


「チーフ、話があるんだ。ちょっといいかな?」


「何ですか監督。」


「チーフ、少しの間だがお別れしなくてはいけないんだ。」


「えええ!監督、急にどうしたんですか。調子が悪くて入院じゃないですよね。

 NSR再生計画を中止するんじゃないですよね!!監督ーーーーーーっ!」




「いや、あのね、明日から名古屋に出張なのよ。お土産は何がいいかな?」



つづく