製造から20年以上経ったバイクは結構手が掛かる。
スクリーンは黄ばんでおり、飛び石によるキズも結構ある。
少しでもキレイにできないかと、たくぼん監督とチーフは考えていた。
「たくぼん監督、とりあえずコンパウンドで磨いてみますか?」
「うーん・・・・・・こんなに汚れているし、多少はキレイになるかなぁ?」

そんな会話をしていた時であった。たくぼんが何かを思い出してチーフ
に言葉をかける。
「クルマのヘッドライトが黄ばんだ時に使おうと思って、買っておいたモノが
あるんだ。それを使ってみよう。」
「クルマのヘッドライトですか?」
「そうなんだよ、チーフ。樹脂製のライトの黄ばみをキレイにしてコーティング
も出来るらしい。ちょっとやってみるか。これだよ。」

「ほえ~。とりあえず説明書通りに磨いてみますね、監督」
「よし、磨いてみよう。」
2人は説明書を読むと磨いて磨いて磨いて磨きまくる。
「監督、黄ばみがとれましたよ!」
「ホントだ。でもキズはあんまり消えないな。キズが深すぎるんだな。」
「えーと、急いでコーティングしろと書いてありますよ。」
「チーフ、コーティングしよう。えーと、液剤塗って、ティッシュペーパー
でふきふきしてと・・・・・・」
「あとは1日くらいほっとけと書いてありますよ。」

「チーフ、どこかで乾かしておいてね。」
「了解です。監督。」
何かを思いつめたようにぼそっとチーフに話しかけるたくぼん。
「チーフ、話があるんだ。ちょっといいかな?」
「何ですか監督。」
「チーフ、少しの間だがお別れしなくてはいけないんだ。」
「えええ!監督、急にどうしたんですか。調子が悪くて入院じゃないですよね。
NSR再生計画を中止するんじゃないですよね!!監督ーーーーーーっ!」
「いや、あのね、明日から名古屋に出張なのよ。お土産は何がいいかな?」
つづく