★★★★
鑑賞No:02500
製作:2013年/アメリカ、イギリス/134分
監督:スティーブ・マックイーン
出演:キウェテル・イジョフォー/マイケル・ファスベンダー
1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていた。が、ある日、興業者に誘われワシントンでショーに出演するが、その興業者の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう・・・・。
第86回アカデミー賞で9部門にノミネートされ、作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した作品。重く、辛く、痛い映画であるが、実話ということで観る者により訴えかけてくる作品となっている。内容が内容だけに、主人公と自分をつい置き換えて観てしまうが、自分だと絶望感にうちひしがれて、どこまで耐えられるか疑問に思いながら観ていた。それに反し、主人公の絶望感に屈せず、希望を持ち続け、生き延びようとする姿は素晴らしい。身分や差別が存在するがゆえに自分を失い、本性やエゴ丸出しの人間の醜い部分を見せつけられた思いのした作品である。アカデミー会員の好きそうな作品となっており、映画テクニックの部分では少し不満が残る点もあったが、全体的な内容としてはアカデミー作品賞受賞も納得。