●製品名:エア ハラチ

●メーカー:ナイキ

●販売時期(オリジナル):1992~1993年

●定価:\15,000

●キーワード:ハラチ フィッチングシステム

 

1991年のニューヨーク・シティ・マラソンでお目見えしたナイキのシューズ。1992年には国内でも市販されていました。スウォッシュマークをサイドに配していないので、言われなければナイキだとわからないシューズです。

 

本シューズの特徴は何といっても「ハラチ・フィッティングシステム」というアッパーの構造でしょう。メキシコの伝統的な編みサンダルの構造をオマージュしたらしく、シュータンの部分が伸縮性の強いソックス構造になっていて、ピタっと足に張り付く(包み込む)仕様になっています。

踵部分はヒールカウンターは入っておらず、ストラップが配置されています。

伝わりにくいと思うので、下記画像を見てみてください。

 

 

このシューズの足が包み込まれるような感覚はこれまで体験したことのない感覚で、すごいフィット感だ!と感じさせられました。アシックスも「スケルトン・システム」とか言ってその後のシューズにまんま導入してました。大丈夫だったの?

 

↓1993年のゲル カヤノトレーナー。今も愛されるカヤノの初期のシューズです!

 

 

ハラチに話を戻すと、前足部のフィット感は良いものの、踵部分は固定が効かず、安定感に欠けていた気がします。また、ストラップ状のパーツが切れやすいのも難点でした。切れてもあんまり履き心地は変わらず、このパーツ機能しているの?という気がしましたが、デザイン性が一気に落ちてしまう。。耐久性もちょっと残念なシューズでした。

また、アッパーのパーツもアシックス、ミズノが通気性の良い素材を導入しているのに、まだ旧態依然としたナイロン素材だなー、と思わせられたり、ナイキの進化の過渡期に位置するシューズだと思います。

 

↓主観の採点です。

 

デザインは上述の通り、エアジョーダン2とかと同様、ナイキのアイコンであるスウォッシュマークが入ってません。消費者にナイキの製品と認識されにくいので勇気がいるのでは?と思いましたが、1996年に傑作デザインのハイテクスニーカーブームが起きたのはデザインの自由度があってのことなので、よい先行事例になったのでは。

 

2000年に復刻されたときは見向きもされず、地元のシューズショップでは¥3,000で叩き売りされておりました(私は喜んでゲットしました!!)。その後、2020年ころにいわゆる「ダッドシューズ※・ブーム」(※おっさんが履いているような野暮ったいボリュームのあるシューズ)が起き、女性人気が高まったのは、本シューズの機能もデザインも大好きだった自分には感慨深いものでした。

 

このシューズがあったおかげで、その後「エアハラチライト」や「エアクキニ」「エアプレスト」等の傑作シューズが生まれたので、ナイキにとっても記念碑的な一足だと思われます。このテクノロジーとデザインを世に送り出してくれたことに感謝です!

このシューズ自身もエスケープカラーなど、カラーバリエが豊富でして、今後も増えてくれそうなので、新たな魅力が見られることを今後も期待しております。時々履きたくなるシューズです。

 

↓1992年8月の陸マガより。「ランナーのカーマを驚くほど向上させてくれる」??カーマって何?と思いますが、2枚目の画像にカーマの意味が書いてあります。それでも私にはあまり意味が解りません。