↑これは1994年の後期モデルです

 

●製品名:ポンプグラフライト

●メーカー:リーボック

●定価:\16,000~18,000

●キーワード:ポンプシステム、ヘキサライト、グラフライト

 

リーボックというブランドイメージに関し、皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。

2006年にアディダスの傘下に入り、2020年頃には業績不振のためアディダスが売却を正式に発表したリーボック。最近の展開もポンプフューリー等の過去のヘリテージ製品に頼っている印象がありますが、かつては業界でも光り輝くブランドでした。

 

リーボックの栄光は1980年代から1990年代中期でしょうか。

1980年代初頭には「エアロビクス」等のアクティビティ向けに製品を展開したり、SFホラー映画の「エイリアン2」にバッシュ派生の「エイリアンスタンパー」を提供したり、80年代後期にはバッシュ向けに「ポンプシステム」をリリースし、ファッション、テクノロジー、マーケティングのどの視点からも業界から一目置かれていた分ランドだと思います。

当時、ナイキはスローガンとして「リーボックをぶっ潰せ」を掲げており、王者ナイキの地位を脅かす可能性があると危惧していたのは興味深い事実です。

 

1990年初頭にはこの「ポンプグラフライト」をトラック&フィールド競技に投入しており、これはポンプフューリーに隠れた名作だと私は思っております。

当時のスポーツショップといえば白×ブランドロゴの、いわゆる「部活シューズ」が席巻しておりましたが、それを踏襲しつつもカラーリングが秀逸で目を引いたのがこのシューズです。テクノロジー的にも、クッション性を「ヘキサライト」素材で高めているだけでなく、ソールを極端にえぐって肉抜き・軽量化を図ったグラフライト素材も印象的でした。

 

そして何より、すでにバッシュなどでも展開しておりましたがポンプシステムによりフィッティング性を高めていたのが印象的でした。

本シューズのベロ中央部分のでっこみパーツをプシュプシュ押すことで、ベロ部分に空気が注入され、履いた後にその人の心地よいレベルまでエアーを注入できます。その隣の小さいボタンを押すとプシュー、、とエアが抜けるのもなんか快感でした。

後にポンプフューリーに引き継がれ広く知れ渡ったポンプシステムですが、フューリーがリリースされる1994年以前に陸上シューズに導入されておりました。

このころのシューズとしては、フィッティング、軽量性、クッション性どれをとってもアップシューズとしては快適で、ナイキのシューズよりずっと快適だった印象です。

 

その後もフューリーロード、2008年頃にはバランスボールの不安定さをソールに導入し基礎代謝を上げられると銘打った「イージートーン」を展開したり、ちょっと目の付け所が違う面白い技術開発が得意なリーボックですが、最近は低迷している印象を持ちます。特にポンプフューリーの後継機を出した2010年中盤は、そのデザインの悪さにがっかりしたものでした(あくまで主観ですが、シューズに「PUMP」とか、でかでか書かれているのはいかがなものかと。。)

アディダスとの資本関係もうまくいかなかった模様ですが、おしゃれなブランドイメージは今でもあると思っており、アパレルやアスレチック衣類は評価されている気がします。

またいつか、ナイキやアディダスを慌てさせるような製品の展開をしてくれることを秘かに願っております。

 

↓1993年の陸マガより。1994年のマイナーチェンジ後よりちょっと高いですね。肉抜きも少しおとなしい??

 

↓これも1993年度終盤のカラーです。