●製品名:アディスター 2000SP

●メーカー:アディダス

●定価:\13,000

●キーワード:スケルトン構造、ナイロンコンポジットフルレングスプレート

 

 

1996年のスパイク市場はいろいろなトピックスで賑わっておりました。

ミズノが「スーパーアスリート クロノ100(クロノダッシュの前身)」を

投入しただけでなく、久しぶりにナイキ、アディダスも新モデルを投入した

こともあり、陸マガのステップの広告がいつも以上に華やかに?見えたシーズンでした。

 

今回取り上げるのはアディダスの新プレート搭載の表題の「アディスター2000SP」です。見ての通り、カラーも独特で、陸上スパイク=部活の延長で白が基調、という時代に目立つ一足でした。

しかし見た目だけでなく性能も素晴らしい一足でした。プレートが一枚のナイロンプレート(フルレングス)で作られており、繋ぎ目がありません。ランニングの足の設置時はプレートが曲がるため、形状を戻そうとする応力(反発)が発生しますが、一枚のプレートであるため繋ぎ目で応力が分散することなく、確かな反発を感じられたものでした。それまで当方が履いていた、アシックスの「タイガーパウLB-1102」とは全く別物で、スパイクって、こんなに走り方に影響するの?と理解させてくれた一足です。

また、ソールのピンは着脱式ですが、アタッチメントがついており、ソールとピンの高低差が大きく、走行時/乗り込み姿勢の際はつま先立ちになるような感覚で、前傾姿勢が促された気がしております。

 

アッパーの側面部がスケルトン構造だったのも初めて見る仕様でした。軽量化にどれくらい意味合いがあったかはわかりませんが、履いた時に再度がソックスに食い込むため、フィット感も良かったな、というのが個人的な感想です。ミズノの「クロノインクス」がスケルトン構造を採用したのは2000年からですので、それよりも早く実装されていたことになります。

 

本スパイクは、1996年のアトランタ五輪100mで9"84の世界記録を樹立したドノバン・ベイリーも黒×白の別カラーで履いていたモデルです(スケルトンアッパーでは無かったかも知れませんが)。その他、国内では100~200mを小気味よいピッチで駆けていた土江選手、400mHの先駆者の山崎一彦選手らが類似のモデルを履いておりました。

翌年にはスケルトン構造で無くなった「2000SPⅡ」が発売され、99年にはネオンイエローのカラー違いも出るなど、しばらく一定の評価を得ていたスパイクだと思います。個人的にはくせがなく、安定感も反発もあるオールマイティな一足で、履いてきた歴代のスパイクの中でも上位の一足ですね。

 

 

前述もしましたがこの年はナイキも目を引くカラーの「ズーム スーパーフライ」を

投入しており、スポーツ店を訪れるのが楽しい1年でした!!あの頃にいまの知識、技術を持って戻り、これらのスパイクを履きこなしてみたい。。