今日も張り切って、一番のお気に入りのコーナー、動学マクロをやっていこうと思います。使う資料は、武〇大学の蓮〇亮教授の講義ノートです。探せば見つかります。
今日は、ソローモデルを学んでいきます。
・長期的な経済成長を見通すには、ソローモデルが優れているとのこと。
・経済成長は、「労働」「資本」「技術進歩」によって実現される。
・ソローモデルは、RBCモデルやDSGEモデルの基礎になっている。
・当期の一国全体の生産は、上記の3つの要素に加え、資本分配率で定式化できる。
Yt = Kt^α * (At * Lt)^(1-α) … ⑴
・資本分配率とは、「企業が生産活動を通じて新たに生み出した付加価値のうち、設備投資や株主配当、内部留保等に分配される割合のこと。」。あいにく、経済学チックな定義がどこにもなかったので、1-労働分配率くらいに考えようと思います。
・閉鎖経済で投資と貯蓄はつねに等しい、とありますが、
Y = C + I (支出面からみたGDPの式)
Y = C + S (分配から見たGDPの式)
から、投資と貯蓄はつねに等しいです。政府を勘案しても、この式は成り立ちます。
・支出面から見たGDOの式は、限界貯蓄性向と限界消費性向を用いて、
Y = cY + sY
とも表せます。つまり、sY = I となるわけです。
・資本ストックについての漸化式を立式する。来期の資本ストックは、今期の資本ストックの追加(つまり投資I)と資本減耗δKt (δは資本減耗率)で表せる。
Kt+1 = Kt - δ * Kt + sYt …⑵
これを、「資本の遷移式」というらしいです。
・⑴のコブ=ダグラス生産関数と⑵の資本の遷移式という二つの方程式からなるモデル(高校数学で言うところの、連立漸化式です)こそが、「ソローモデル」というらしいです(おー、意外とシンプル)。
・この連立漸化式を解くにあたって、労働の成長率と技術進歩率を所与とする。モデルを簡略化するためです。ところで労働の成長率ってのは、生産年齢人口の増加率ってことでええんやろか…、そうとしか考えられないけど。
At+1 = (1 + g) * At …⑶
Lt+1 = (1 + n) * Lt …⑷
ちなみに、gは技術進歩率、nは労働の成長率です。所与なので、定数として今後は扱うというわけだな。
・K1が初期値として与えられれば、⑴と⑵から今後の各時点での(生産,資本ストック)の組合せが決まる。以下に書く表現方法が、あまりなじみのないなあと思った。
{ (Yt , Kt) t = 1, 2, 3, …}
・「内生変数」は方程式の変数、「外生変数」と「パラメータ」は定数とのこと。外生変数とパラメータの違いは、ひとまず時間によって変わるかどうか、tの添え字があるかどうか、程度の認識で良いとのこと。なんとなく違いを感じるような、わからないような…。
(定常状態…。学部3年目の頃の苦い思い出が…。機械制御、二次遅れ要素あたりから全く分からなくなったなあ…。)
・ここ、かなり面白いと思うんだけど、このKt / (At * Lt)の値に定常状態があるとのこと。つまり、時間を無限大に飛ばしたとき、ある値に収束するとのこと。
kt = Kt / (At *Lt) …⑸
この式のktが定常状態(k*)になるとのことです。ここで、(k*)が小文字なのは、定常状態、すなわち定数だから小文字なのかな。
・ところで、この⑸の式が意味するところは何なのだろう。資本ストックの、技術進歩率と労働成長率の積に対する割合、って結局なんだ?
➢「効率労働当たり資本」というらしいです。もっとデカく書かないのかな?じゃないと学生がピンとこないんじゃないか?「俺は何を求めているんだ?」ってならない?
・⑹の式変形ですが、一見複雑そうに見えますが、やってることは筋が通ってます。左辺は次期の話、右辺は当期の話をしているわけです。そのうえで、⑸の式で両辺を無理やりまとめるために、式をいじくっているわけです。結果、一番下の、きれいなktに関する漸化式が手に入るわけです。
(1 + g)(1 + n) * (kt+1) = (1 - δ) * kt + s * (kt^α) …⑹
・ktが定常状態となった時を考えるので、いかなる時間においても(k*)という値を取ると考え、⑹に代入します。そして(k*)について解くと、
k* = { s / (g + n + δ) } ^ {1/(1-α)} …⑻
ちなみに、gnは小さい値として無視した、とのこと(よくわからないんだけど、労働成長率も技術進歩率も1を超えないと考えているわけか)。
・結果的に、⑻の式はすべてパラメータで表されているので、定数である。とりあえず定常状態にあるk*を求められて、一段落っぽい。結局この値って何を表すの??
➢「効率労働当たり資本」というらしいです。もっとデカく書かないのかな?じゃないと学生がピンとこないんじゃないか?「俺は何を求めているんだ?」ってならない?
・次に、効率労働当たり資本(以下、めんどくさいので⑸と表記します)の動きを調べるために、⑸の増加量(kt+1 - kt)を求める。⑹をいじくって、左辺を増加量に据えて整理すると、以下が得られる。
kt+1 - kt = { s * kt^α - (g + n + α) * kt } / { (1 + g) (1 + n) } …⑾
・⑾の式、分子(PDFの図ではzと置いている)を抜き出す。
z = s * kt^α - (g + n + α) * kt
この式、正の項が指数関数、負の項が一次関数である。つまり、PDFの図1.3となるわけだ。増加幅云々は、要は分子を微分して、その式の値の動きを見れば一発で分かる話だ。微分した式が0となるときが、定常状態っつー話だ。
・図の1.4は、よくわからない。ktってtの関数で表すにはどうすればいいんだろう。地道に、k1から代入をしていけば求められるんだろうけども…。もう、漸化式なんか覚えてないや。
てな感じです。今回学んだことを端的に表すと、
①コブ=ダグラス生産関数と資本の遷移式によるソローモデルの連立漸化式
②効率労働当たり資本の定常状態における値
③効率労働当たり資本の成長率
を、定式化ました。
今日はここまでです。次は貯蓄率等のパラメータをいじくって、内生変数の変化を調べるような気がする、多分。