今回も、例の鍋島PDFを読んでいこうと思います。今回は数式がいくつか出ます。でも入力するのめんどくさいので、言葉で説明します。言葉だろうが数式だろうが、どっちも記号という意味では一緒。簡素かどうか。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/peq/48/4/48_KJ00009361489/_pdf
現代主流派マクロ経済学批判の一視覚 鍋島直樹
・ニューコンセンサスマクロ経済学の基本モデルは総需要方程式、フィリップス曲線、金融政策ルールを記述する方程式の3つで表せる。
先に、各経済変数を説明すると、以下のようになる。
Yg :産出量ギャップ(現実産出量の潜在生産量からの乖離)
R :名目金利
p :インフレ率
pT :目標インフレ率
RR* :産出量ギャップがゼロとなるときに成立する均衡実質金利
s(i=1,2,3) :確率的ショック
Et :t時点における予想
・まず一発目、総需要方程式(あるいはIS曲線)。現在時点での産出量ギャップ(現実産出量の潜在生産量からの乖離)は、過去の産出量ギャップ、将来における予想産出量ギャップ、実質金利によって決定される。
Ygt = a 0 + a 1 * Ygt-1 + a 2 * Et (Ygt+1) - a3 [Rt - Et(pt+1)] + s 1
「実質金利の上昇は、総需要を減少させることによって産出量ギャップを縮小させる。」とは書いて有るけど、実質金利?この式にあるのは名目金利と予想インフレ率の2つだけど、そこから実質金利を求めろってことかな。実質金利が上昇するときは、名目金利は所与としてよいのかな、そしたら予想インフレ率が下落する時だよね。
なら、縮小するのは未来の産出量ギャップの話かな?だとしたら、恒等式的に考えて、第四項がでかくなれば帳尻を合わせるために第三項は小さくなるよね。そういう意味かな?
ここからの話、現時点の変数は自動的に所与と考えるのかな。
あ、全然違った。これ、第四項自体が実質金利の式(フィッシャー方程式)だ。そしたら、実質金利が上昇すれば、結果的にギャップは小さくなるよね。ごちゃごちゃ考えすぎた。
・次はフィリップス曲線です。この式では、現在のインフレ率が、現在の産出量ギャップ、過去のインフレ率、予想インフレ率によって決定される。
pt = b1 * Ygt + b2 * pt-1 + b3 * Et(pt+1) + s 2
「これによれば、産出量ギャップの拡大とともに、インフレ率が上昇することになる。また現在のインフレ率が予想インフレ率からも影響を受けると考えられているので、この式は標準的な「予想内包型フィリップス曲線」の一種であると見なすことができ、長期においては垂直となる。」とある。
前半部分はわかるけど、長期では垂直ってのはどういう意味なんだろう。フリードマンとかの説明で、フィリップス曲線は長期では垂直ってのは何回か聞いたことがあるけど…(貨幣錯覚)。てか初歩的な質問だけど、フィリップス曲線って失業率とインフレ率の組合せじゃなかったっけ。この式、失業率πが入っていないけど、あのグラフの関数ってわけじゃないのかな。
あと一個あるけど、ちょっと力尽きてしまった。続きのテイラールールは今度。