星をみてれば | プチ・農民日記

星をみてれば

20日はお世話になっている農家の奥さんの

40回目の誕生日でした。

日付が変わると、20度くらいの酒を飲んで

お祝いしました。

本人よりも僕と旦那さんの方が盛り上がっていたことは

言うまでもありません。


21日は、冬至ということで、この辺りの古い風習で、

キャンプファイヤーをしました。

キャンプファイヤーの会場に行くまでの道中、

明かり1つ無い山道を歩き、空を見上げれば

一面の星空が広がっていました。

標高約700mの山から眺める星空は、

360°パノラマとまではいきませんでしたが、

山と山の間から見える星空があまりにもきれいで

見とれてしまいました。

もしかしたら、寒風山よりきれいかもしれません。

そんなことを考えていたら、いろいろなことを思い出しました。


僕たち地元の仲間たちは、小学校のときから、大人になった

今でも、本当に暇さえあれば星空を眺めにいきます。

夢中になって流れ星を探したときのこと、

誕生日に友達が星を見に誘ってくれたこと。

なんだか、星を観てると心が洗われる気がします。


先日、帰国後の報告会の話が出てきて、

考えてはいたのですが、いざ本当に報告会をするとなると、

急に不安になっていました。

本当に自分が学んだことはここに来なければ学べないことだったか?

人に伝える価値のあることを自分は学んだのだろうか?

学術的に意味のあることだろうか?

などなど、とても不安になっていました。

難しく考えてしまうのは悪い癖と分かってはいるのですが・・・。


しかし、今日、信じられないくらいきれいな星空を眺めていて、

気持ちがだいぶすっきりしました。

そして、昔のことを思い出して涙がこぼれてきました。


自分はいつからこんなにかっこつけるようになったんだろうか?

きれいな星を観て、感動して涙を流す。

それでいいじゃないか・・・と思ったんです。


だから、もう迷いはありません。

僕は、僕の感じたことを、形にこだわらず、

素直に伝えていきたいと思います。


そして、地元や、仲間たちについて考えました。

いつだって僕たちは星空を眺めて育ってきました。

だから、雇用がどうとか、人口がどうとか、

そんなことはまずは抜きに、ただ、きれいな星空が観たい。

今はそれでいいじゃないかって思うんです。


「星空がきれいです。」

「流れ星が観えます。」

そのことの価値は、もしかしたら言葉で伝えることは難しい

かもしれません。確実なものではないかもしれません。


しかし、確実なものでなければ、あるいは数値化できなければ

それは価値の無いということなのでしょうか?


僕はそうは思っていません。

価値の無いものに思われがちなものにきちんと価値を与える、

もしくは、それを他人に共有してもらう工夫をする。

それが、僕たちにもできることなんじゃないかと思います。


そんなことを考えながら歩いていた帰り道。

遠くから川のせせらぎが聞こえ、そして、流れ星が流れました。

オリオン座やカシオペア座。

日本から遠く離れたアルプス地帯にも、

昔と変わらぬ優しさがありました。





喜びはいつも 君から始まり

明日が僕にあること 教えてくれる


忘れかけていた 大事な想いを

言葉にできそうな そんな夜でした

cune「星をみてれば」より



つづく