劣等感 | プチ・農民日記

劣等感

昨日、羊を殺しに行くということで、着いて行かせてもらいました。

そして、結局オスが1匹しかいないということで延期になったとき、

ほっとしている自分がいました。


今日、昨日延期になった羊を殺したのですが、

少しは慣れたものの、まだまだ抵抗があります。


ヨーロッパに来て、本当に自分は臆病で、

何にもできない人間だったんだということに気づかされました。

山を歩いても遅くておいていかれ、

火起こしもスムーズにできず、

食べ物の知識もほとんど無く、

動物に対して仕事をするときも

まだまだ抵抗があります。

その他にもいろいろです・・・。

手際よくいろんなことをこなしていく農家や、

田舎の若者たちと共に暮らしていると恥ずかしく

なることが多々あります。


もしかしたら彼らは、日本人は何もできないんだな

と思い込んでいるかもしれません。

(日本の皆様、ごめんなさい・・・。)


何度も指導してもらい、言葉がうまくできなくては

笑われ、こんなところで、「○○大学です!」とか言っても、

「それで?お前は何ができるの?」と言われて

終わりそうです。


なんだか、今日はそんなことが積み重なってすごく

悔しくなりました。

自分が今まで、ただ口を開けて餌が運ばれるのを

待っていたんだと気がつきました。


自分が今まで何をしてきたか・・・。


僕は小学校3年くらいから大学4年まで、

ずっと運動部に所属してきました。

運動部に所属していることを良いことに

ろくに勉強もせず、バイトもせず、

大学では親の仕送りで生活をする。

まるでプロ選手のような生活。

周りはやれバイトだ、インターンだ

なにやらだと社会を見ているのに、

自分は柵に囲まれた世界の中で「贅沢な悩み」を

抱えて生活していたのかもしれません。

そんな風にさえ思えてきます。







でも、

そんなことをずっと考えていて思いました。

それでも、自分の過去を否定したって悲しくなるだけだし、

過去の自分に失礼だと。


たしかに自分は守られすぎた世界で生きていたかもしれませんが、

何をやっても不器用だった僕が、ボートを始め、

本気で日本一を目指すことができました。

素晴らしい仲間たちと出会えました。

そして、高校で破れたその夢を、大学に入り、

競技成績的にも人間的にも素晴らしい仲間たちと

出会うことにより、より現実味が帯びてきて、

本気で全てをかけて挑戦することができました。

結局日本一にはなれませんでしたが、

つらい経験をしたり、競争の日々に嫌気が差したりしながらも、

ボートという、相手との接触がなく、

自分を純粋に高めることによってのみ

勝利をつかむことができるスポーツを

自分なりの哲学を持って続けることができました。


以上のように僕が述べたことは、きっとベタな表現で、

体育会系の良いところしか映していないかもしれません、

美化しているかもしれません。


でも、ここに来て、自分のことを振り返り、この自分の過去を

それでもやっぱり、認めたいと思いました。


こんな自分にしか分からないことだってある。

そう胸を張り、将来のことに目を向けていきたいと思います。

まずはヨーロッパで、この環境で。


いつも焦っていた自分に言い聞かせます。

「少しずつ、少しずつ。」


つづく