神様は、小ちゃなはちの中に | プチ・農民日記

神様は、小ちゃなはちの中に

今日は、蜂のための木箱を水から守るために

植物由来の油を木箱の外側に塗る作業をしました。


この農家さんは養蜂もやっています。

先日、蜂のための木箱を掃除しているときのことです。

ここ、山間部ではとれる蜂蜜の量が少ないという話になり、

その理由を尋ねたところから話が広がり、興味深い話を

聞くことができました。

もしかしたら僕が無知なだけでみなさんはもうご存知のこと

かもしれませんが、この場で紹介したいと思います。


まず、この農家さんが何故養蜂をしているかと言うと、

まずは、自分の蜂蜜が食べたいからです。

この農家さんが農業を始めた理由は、食べ物の面で少しでも

独立したかったからだそうです。

それだけかと思っていたら、他にも大切な理由がありました。

ここを将来的には教育的利用ができる農園にするため、

できるだけ多くの種類を作っているのです。

そして、もう1つは、この山の植物のためという理由です。


この山には養蜂農家が全くいなかったらしいのですが、

これは植物にとって良くないことなのだそうです。


彼は断言します。

この地球上で最も重要な生き物は蜂だと。

もし蜂がいなければほとんどの植物は実らないそうです。

そして、数少ない、蜂がいなくても実る植物も、

食用としては品質がかなり落ちるそうです。

もしそうなると、植物を食べる生き物は食べ物が不足してしまいます。

地球上から蜂がいなくなれば、人類は存続できないと

主張する学者もいるそうです。

この山でとれる美味しいりんごやプラムも、

全て蜂たちのおかげなのです。


しかし、そんな蜂たちは今、地球上から減りつつあるそうです。

原因は、たしかではありませんが、携帯電波等の電磁波が

蜂たちの生活を狂わせてしまうことや大気汚染などを主な理由に、

様々な現象が絡み合っているのではないかと言われているそうです。

そして、養蜂協会は、遺伝子組み換え植物に反対の立場を示しているそうです。

自然界にもともと無かったものがでてくると、

蜂のみならず、様々なことに影響を与えるのかもしれません。

遺伝子組み換え植物の是非を問うとき、日本では主に

人体への影響について議論されているように思いますが、

生態系との関係も重要なのかもしれませんね。


ウィーンの大学で農業を学び、修士まで卒業したここの主人の

お話はいつもためになります。


このような話を、その日の夜にインターネットで

日本人の友人に伝えたところ、次のような詩を教えてくれました。


「はちと神さま」

はちはお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土べいのなかに、
土べいは町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。

そうして、そうして、神さまは、
小ちゃなはちのなかに。

「わたしと小鳥とすずと」などで有名な、

童謡作家の金子みすずさんの作品です。

この詩を読んだとき、とても感動しました。

金子みすずさんは、蜂の重要性に気づいていたのでしょうか?

ネット上では、彼女が、神様が蜂の中にいると書いた理由を

キリスト教の聖書になぞらえて推測しているものを見つけましたが、

本当のところはどうなんでしょう?


どなたか、知っている方がいらっしゃったら教えてくださると

嬉しいです。


美味しい蜂蜜を食べさせてくれる蜂たちにも感謝ですね。


つづく