令和6年3月16日(土)晴れ

カフェ・ヒノキ(株式会社健康住宅)の現場見学会には、案内があるたびに出かけて行った。

最初は、千葉市内とは思えない田園風景に溶け込んだ30坪の一軒家を見学した。

 

外観は何の変哲もないグレー系の窯業系サイディングで、土地は35坪ほどだったろうか。

 

土地は600万円、建物は1,600万円ほどとの説明だった。

 

土地は千葉市内としては、超格安だが、利便性は相当悪い。車がなければ何もできないような立地だった。


しかし、一歩家に入ると、木の香り、ヒノキの床板の香りが充満していた。

 

 

※床板はヒノキ、階段は輸入松 木製建具も概ね輸入松 すべて無垢(集成)材

 

 

コストの関係か、壁は左官材ではなかったと思う。

 

サッシもオール樹脂ではなく、1,600万円なりのグレードだったものの、大工仕事は非常に丁寧な印象で、細部の仕上げまできっちりと仕事されていた様子だった。

 

まあ、ここに頼めば、いわゆる欠陥住宅を掴まされることはないのかなと感じた。


断熱材はロックウールを使用しており、モデルハウス(カフェ・ヒノキ)の羊毛とは異なる。

 

羊毛は高価な割に断熱性能が低く、今後は新聞用紙を粉砕した断熱材(セルロースファイバー)を採用するつもりだと言う。


2回目以降の見学会では、概ね下記の仕様の住宅を拝見させていただいた。

(株)健康住宅の基本仕様
・木造軸組工法・構造用合板併用
・基礎は土間床が特徴的
・土間床内部に温水パイプをめぐらせた床暖房
・外壁は左官仕上げが多い。
・屋根は瓦が多い
・床板は3cm厚の九州産ヒノキ(集成材的な感じ)
・壁は左官材、紙クロス等の健康素材 ビニールクロスは永久追放
・サッシは樹脂・アルミ複合サッシまたは樹脂サッシ
・断熱材はセルロースファイバー

 

 



 自然素材を前面に打ち出すトップランナー工務店を第一に考えつつ、いわゆる、住宅展示場にも何回か行ってみた。そこで感じたことをランダムに箇条書きしてみる。

・軽鉄プレハブメーカーは、低品質高価格が特徴。5ミリ程度の厚みの軽量鉄骨は「腐食」に対する安全率が完全にゼロ。

 

・頑丈で長持ちするモノを造るという意思があれば、軽鉄プレハブの家に手を出すことはあり得ない。

 

・軽鉄プレハブは安く量産できても、完成品は異様に高価であり、施主にとって、軽鉄プレハブで建てるメリットは何もない。

 

・売る側もそれを知っていて、セキスイやダイワのTVコマーシャルで、軽鉄プレハブを前面に押し出した宣伝は一切ない。

 

・当方は、一条工務店以外の大手HMメーカーは、日本国民のため、壊滅させるべきであると確信している。

 

・鋼船大工ではないエンジニアも、皆そう考えているに違いない。

 

・軽鉄プレハブメーカーの構造軽視、型式認定悪用の沼は深い。検査専門の岩山健一建築士がその著書で詳しく述べている。以下にアメブロのURLを貼っておく。

・家を建てようと思ったら、図書館で岩山氏の著作を借りて読むといいと思う。第三者の建築検査が必ず必要であることが良くわかる。大抵の建築屋は建築ヤーなので。

 

 


一般の人が連想する「型式認定」という言葉の印象は、「大臣が認めた優れたもの」と感じる人が多いだろうが、こと住宅の「型式認定」はそれとは程遠いものであるということを知る人は少ない。

型式認定とは、建築基準法に定められた仕様規定(部材や組み方、構造計算方法などが定められている)以下のスペックでありながら、一定以上の安全性が確認できたとして、国土交通大臣が認定するもので、その制度をハウスメーカーが同様の形式の家を量産し、量販することを目的に、各社が利用しているものである。

そしてその一定以上の安全性の確認をしたとされる書類の開示が一般に為されないというゆがんだ構図が作られ、ブラックボックス化しているのが現状だ。 ~



・一条工務店は、当時「夢の家」を展開していた。軸組工法ながら筋交いを捨て、外周壁の全面を構造用合板で固めていた。

 

・断熱材はEPS材を採用し、樹脂サッシを自社(フィリピン工場)で生産しているのには驚いた。大手HMで樹脂サッシを標準採用するのは同社だけではなかったのか?

 

・ただし、外観も内観も意匠性が非常に悪い。外観はサイディング等を変更すればなんとかなるが、内装の作り付けの家具等のセンスは相当悪い。が、その後、フルモデルチェンジをして改善されたのか?


・一条の新人営業には閉口した。家のことを何も知らないのだ。自社のアドバンスもよくわかっておらず、ただ単に突進してくるだけの若者で、全く商談にならなかった。

 

・この体験から、展示場のアンケートには決して記入していけないことがわかった。
 

・スウェーデン・ハウスは、売る側も買う側も大きく勘違いしているようだ。

 

・本場に行けば低性能な家を、本場の家のようなイメージで買うのはどうなのか。

 

・材料のわりに恐ろしく坪単価が高いのは同社に限った話ではないけど。


・セキスイ、ダイワは最初から完全スルー。


・パナの二種換気システムには驚いた。なぜ二種なのか全く説明できない。これしかないからこれを提供する。顧客のため、良いものを提供するという意思はないのか?


・和三郎の家の「檜一等材」はよかった。和風住宅では無節のヒノキが重宝される中、柱も床板も節だらけの一等材を使っており、個人的には好印象。節だらけで安くても、本物の材料!

 

 

 

 

※健康住宅と和三郎の家を10件以上見学し、「ヒノキ一等材の床板」と「漆喰」の採用を決めたと言ってよい。

 

 

・拙宅の床板は、和三郎の影響を強く受け、ヒノキ一等材(材料費:坪一万円弱)を採用した。(ただし、トイレ、台所、脱衣場等のバックヤードは桜のUVクリア塗装材を採用)

 

・和三郎の弱点は、ずばり耐震と断熱だった。標準の筋交い工法では耐震等級2にすら届かない、

 

・サッシはアルミ100%で樹脂アルミ複合サッシですらない。

 

・標準では、超結露住宅仕様だった。しかし、内壁は漆喰が標準で、床のヒノキと合わせて空気感は良かった。

 

・天井はシナベニヤだった。冗談みたいな針葉樹合板の貼りっぱなしの天井仕上げもあった。

 

・外壁はガルスパンかぬりかべで、日本画の絵の具のような色遣いが良かったと記憶している。


・「和三郎の家」は「雨楽な家」にバトンタッチしたのか?千葉県で「和三郎の家」を扱っていた(株)ひらいは、現在、エアサイクルの家を扱っている。

 

 

 


・拙宅でヒノキ節あり一等材の床板を採用したのは、和三郎の影響が大きかった。

 

・安くても檜の無垢材は無垢材で、とてもいい感触だ。複合フローリングのベニヤ床なんて、絶対に嫌だ。





 

マイホームの土地については、千葉市と市原市の境目からやや市原市に入ったエリアのちはら台のUR都市機構の分譲地を検討した。2年間で3回抽選に申し込んだものの、すべて落選してしまった。3回目は倍率が3倍と低く、土地の図面をカフェヒノキに持ち込んで、さあ、これからと思っていたのだが....。



 そうこうするうち、中川西棟梁は、千葉市みつわ台で「無添加住宅」の看板をあげ、カフェヒノキから撤収してしまった。

 

 


 

伝統工法で百年住宅を建設


日本の住宅は、欧米の住宅に比べ住宅の耐用年数が短いといわれている。
一軒の住宅の寿命は28年と実に短い。
欧米の住宅の耐用年数はその倍以上の長持ちすると聞く。
そこで、日本における住宅は何故に短命なのか、建築から26年経過した住宅を検証しながら、その実態を明らかにして行こうと考えた。


実証には、千葉市若葉区みつわ台5~38~6無添加住宅 (株)中川西文夫会長の協力を得て検証をすすめた。

これが短命住宅の実態だ


まず、私たちが最初に考えなければならないことは26年という短命住宅を購入した事によって生じる不利益についてだ。


例えば、30歳でその家を購入した場合を想定してみる。26年後の56歳を迎えた頃に建て替え時期がくる。


これでは老後の豊かな生活の設計を描くことも享受することもできにくい状況がすでにあり、家を建てることに人生の大部分が費やされてしまう。


そこで、視点を変えこう考えてみた。多少建築コストが割高になったとしても住宅の寿命が50年以上の家を建てたと考える。そしてそのことで受ける利益はどうだろう。家の建て替えは一回ですみ、老後の生活設計も余裕をもって考えられるようになるだろう。


日本の気候・風土に短命住宅の原因があるかといえば、そうでもない。なぜならば、昔の日本家屋は50年以上の長寿命住宅がその大半であったという、歴史的実績がある。


そこで、日本の今日の住宅が短命(26年)になってしまったのか、その原因をサンプル住宅の検証をしながら原因の追求をする。


まず台所に入る。冷蔵庫の置いてあった場所の壁紙にはカビがこびりついており、壁紙を剥がした裏側までカビていた(写真A)。


また、台所のフローリングは化学接着剤による接着面から剥がれているものや床の腰が抜け状態で段差が生じている箇所もあった(写真B)。


次に、1階の和室に入り、南側の敷居を見ると、そこは虫食い状態でシロアリの被害にあっていた(写真)。また、同室の畳を裏返してみると、防虫防湿紙使用と書かれているにもかかわらず、そこはカビの住みかとなっていた。

 

中川西氏によれば「ここはまだ良いほうだ」という。「また現在のような高気密・高断熱の建物であれば建物の被害はもっと大きくなるし、健康への悪影響も増える」と指摘した。 

 

考えてみれば、我々消費者は実に割高な商品を買わされ不利益を被っている現実を思い知る。高価な買い物であるだけにより慎重でよりベターな選択を心がけなければならない。


健康を育む、長寿住宅の相談は、無添加住宅(株)0120・119・036へ

 

(つづく)