メディア事業やゲームの運営活動の成果の構造を定量化して仕事を俯瞰しよう | Serial Experiments "ONE of THEM,Inc." / 武石幸之助はかく語りき
ワンオブゼムでは様々な事業(とくにゲーム系)を運営しています。

最近メンバーに対して成果を定義付けるときに、
自分のその日の仕事量・行動量が、結果的にどの指数に影響し、
何にどのような力配分でやっていけば、結果的に大きな成果につながっていくのか、に
ついて説明しようとして、ふと各仕事とその効果の指数を定量化してみました。
(武石の体験も含めて)

メディア運営の仕事を大別すると3つの行動カテゴリが存在します。

①足元の努力(足元指数:0~1.5)
②改善(抜本改善指数:0.1~1.5)
③新鮮味≒新機能の追加(鮮度指数:0.1~10.0)


もう少し詳しく説明すると

①その当日や直近数日にできること
 例えば、メールやPUSHを送ること。ブログやおしらせを書いてユーザーに押すこと。
 アドネットワークなどを用いて広告をし、ユーザーを集めること。
 すぐに投下して、ユーザーを動かすことができる施策を実施すること、などです。
 その足元の運営努力の効果で日々出る成果の指数を「足元指数」と名づけました。

②本質・抜本的に事業が抱えている課題への対応

 例えば、UIが悪くてユーザーに価値が伝わっていないという課題。
 ゲームのユーザーサイクルの効率が悪く、ユーザーが多く抜け落ちるという課題。
 継続率やDAUが引き上がるようなエンジンがはいっていないという課題、などです。
 その改善の積み上げで半永久的に成果の上昇に寄与できる、その努力の結果を「抜本改善指数」と名づけました。
 ※この指数は1度なおせば、半永久的に指数が固定されます。

③日々減価償却していく、新規性/目新しさ/事業のユーザーにとっての鮮度指数
 ユーザーにとって目新しいサービスも、①と②や新機能の追加が定期的になければ、
 その鮮度は減価償却していきます。そして、日々の運営努力、改善努力、そして
 さらに新機能によって目新しさや「運営しているぞ!というメッセージ」を
 伝え続けなけえれば、鮮度はどんどんと0に近づいていきます。
 あまたある競合との比較においても、ユーザーにメディア事業に対する感度は
 成果に連動すると考え、これを「鮮度指数(熱量指数)」と名づけました。


そして、メディア事業の運営については、この
①毎日の足元指数(0.1~1.5)
 ×②成果の半永久的なレバレッジとなる抜本改善指数(0.1~1.0)
  ×③常に新鮮・変化しているかの鮮度・熱量指数(0.1~10)


の3つの指数の掛け合わせによって、成果というものは大きく変化するものと考えています。

なので、毎日の足元の運営努力がなければ、成果は出ないし、
本質改善をしなければ、毎日の努力にレバレッジはかかりません。
そして、新規性・新鮮味をユーザーにアピールしていかねば、鮮度そのものが減価償却し、成果が目減りしていく危険性がある点。
を意識し、毎日どこに自分の仕事の力点を置くか、を俯瞰して行動するのが重要だと考えました。

成果の出ていない事業は意外に
 ①0.1×②0.3×③1.0 だったり
 ①1.5×②0.1×③0.3 という理由だったりします。

なので、どの部分で成果に1未満の補正がかかってるかを確認するのも大事です。

「足元?」「改善?」「新機能?」と自分のタスクの優先度に悩むのは、
どの事業者もそうだと思いますが、結果として、ユーザーの熱量を意識しながら、
そのバランス配分や社内リソースの状況をみて柔軟に判断していくしかありません。

成果を追う以上、改善のリソースや時間がないときに、足元でカバーするとか、
そういう判断も時折必要なシーンは出てきます。

その意味でも、こうした3つのカテゴリに分けた考え方を取り入れるのも
一つの手だと思いました。