息子が帰ってきた
直ぐに言わないとタイミングを逃してしまう

「母さん来週から、2週間入院するけんね」

「なんで?」

「母さん重い病気」

「入院したら治るん?」

「治す方法はないん  新しい薬を試すのに経過観察するために入院する」

「何だったん?」

「体が動かなくなる病気  しょうがないよなぁ  でも1年後に死ぬことはないわーまぁわからんけどね」

「2週間で帰ってくるん?」

「帰ってくるよ 居らしてくれんよ」

「2週間後っていつ?」
と言いながらカレンダーを確認していた

2年前友達のお母さんが、卵巣がんが見つかり、退院することなく半年で旅立ってしまい、もしかしたら?って思ったんだろうな~

そのお母さんである、私の元上司の彼女は、とても強い人だった。

お見舞いに行くと、
「4つ抗がん剤を試したけど私に合うのがないんよ」
って、微笑んでいた。

「なんか面白い話ないん?」

って、言うから頑張って話見つけたけどちょっとぎこちない私の事をお見通しだったでしょうね。

その日は 12月30日だった

私が帰ろうとすると、スッと立ち上り
「よいお年を」
って、点滴に掴まりながら笑顔で握手を求めてきた

「あぁ ほんとやねぇ」
って返すのが精一杯

その1か月後に旅立ってしまいました。

彼女はいつでも強い人だった

握手をしたとき、私も彼女のように強い人に成りたいと強く思った

今でも涙が出るたび思い出す

今日はちょっと強くなれたかな

入院の話をしたあと息子が

「人間をダメにする枕買おーかなぁ」
っていうから

「まず人間になってから買いなさい」(脱いだら脱ぎっぱなしのポンコツ息子なので😂)

と、ちょっと冗談も言えました🎵

告知されてからの4ヶ月間隠してきましたが、これで前に進める気がする。

不自由な右手でも遠慮なく一緒に食事ができる😊

よし、久しぶりに回転寿司に行くかなぁ😋