羊どろぼうは、糸井重里さんが「ほぼ日刊イトイ新聞」に書いた1年分の原稿、糸井さんがTwitterでツイートした中から、こころに残る言葉を厳選した一冊のことです。

私はこの本を通じて、糸井さんと対話しています。
さすが糸井さんという言葉が多いのですが、中には「それは違うでしょ!」とツッコミを入れたくなるものもあります。また、読み返して新たな意味を発見したりと、かれこれ2ケ月ほど手元に置いています。この本の表紙は「タントセレクト」という特殊な加工がされており、手触りが良いです。
この本の触覚とにおい・・ 
古っ!と言われるかもしれませんが、私は電子書籍より紙の書籍の方が好きです。

羊どろうぼう<表紙>
$音楽の力、歌の力、言葉の力を信じる、takuminのブログ-羊どろぼう表紙

羊どろぼう<横>
$音楽の力、歌の力、言葉の力を信じる、takuminのブログ-羊どろぼう横

この本の中で最もこころに響いたのは、動画にも収録されている下記の言葉です。

「ひとりぼっちだなぁ、思ってたからね」と、
奈良美智さんは、ごくおだやかに、
子供のころの自分を振り返って言いました。
「ひとりぼっちだなぁ」という感覚は、とても貴重なものなんだと
思いました。

ぼくにはぼくの「ひとりぼっちだなぁ」という
感覚があります。

「ひとりぼっちだなぁ」と言う感覚は
きりきりっと寒い冬の夜の、
北極星の光のようなものじゃないかなぁ。
そのほのかな光が見つけられてないと、
じぶんがどこにいるのかわからなくなっちゃう。
「ひとり」が、まずはすべてのはじまりです。


東日本大震災後、各メディアで「あなたはひとりじゃない。私達がついています。」云々のメッセージが溢れていました。過剰な感はありましたが、日本中が被災地を支援するという想いで発せられていた言葉だったと思っています。
「ひとり」=「独り」で当然のごとく、マイナスのイメージで捉えていました。
この糸井さんの言葉に出会うまでは。

たとえ家族や親友であっても自分を100%理解して貰うのは難しい。
自分の良い部分、悪い分もひっくるめて受容して、かけがえのない存在として認めることによって、全てが始まる・・・

悪いことだけでなく、多くの出会いもあった2011年。

残り2週間を精いっぱい顔晴る(がんばる)ことと、来年に向けて自分自身を見つめ直すことを続けています。