革を染めはじめたのは3年くらい前。

もちろんやったことはないし、習ったこともなかった。
たぶん売っている革の色が気に入らなかったんだと思う。

まぁとりあえず塗ってみようとなんとなしにやってみたら
なんとなく染まりが悪い。
それから何度も何度も塗ってみたけれど、どうもよくわからない。
やっぱり難しいのかなぁと思ってベランダに出しておいた。
そのまま忘れて放置すること数ヶ月。。。
あ、っと思い出してベランダに出てみると、まあびっくり!
何とも言えない色に染まっておりました。

さて、それから図書館で革の染色の仕方を見たのだが、
どうやら全く違う方法で染めており、もちろん雨なんかタブー中のタブー。。。
使う薬剤も道具も何もかも違ってました。
数ヶ月の間に雨だのなんだのたぶん相当なストレスがかかっていたのではないだろうか?

習ったことがない、知らないというのは、時にこういうことが起きる。
習うと正解がわかる。習わないと正解がわからない代わりに、不正解もわからない。
もちろん習う、の数倍の時間とお金がかかるけれども。
だから進むしかないんです。

それからなんとなしに色を追求してきてわかったのは、季節により染まる色が変わるということだ。
日光の強さ、温度、雨の量、冬なら雪の質。
人間の支配が及ばないものが作用している。
だから革は僕が染めたのではなく、染まったものなのだと思う。
もちろん特殊(=無学、行き当たりばったり、なんとなく)な方法で
アプローチはしているのだけれど、結局それはそういうことなのだ。
ちなみに1つの革が染まるのに最低でも3ヶ月はかかる。
その工程は結構大変だったりもする。
売っている革もこの革も革は革だ。
だけれども、1つずつ、何百回、何千回と手のかかったものは
たぶん、いいものなのだと思う。
量産は出来ないけれど。。。

僕はこの革を「汚し革」と呼んでいる。
美醜の姿がそこにあるように思えるので…。
(たぶん「東○ハ○ズ」では買えません)

困ったことに革というのはデカい。
大人2人分くらいは余裕である。
だって牛半頭分だもの。。。



最初はこの状態、うーんでかい



だんだんこんな風になっていき、



時に雪にうたれ、



だんだん色が入ってきます。

昨年の展示会でディスプレイ什器を作ったのだけれど、
その作品の名前を「四季」と名付けた。





写真だとわかりにくいかもしれないので拡大してお楽しみください

番号は春夏秋冬で染め分けした汚し革

ベルト部分①と⑤が春
台座部分②とベルト部分⑥が夏
ベルト部分③と⑦が秋
ベルト部分④と⑧が冬




今日はとっても日光が強い。。。
人間にはきついけれど、今ベランダにいる革は何を思っているのだろうか?
やっぱり「暑い」よね。。。