前回、クランクオーバーホール待ちになった750SS H2C。
数日後「近藤内燃機」様からクランクが戻ってきました。
新品コンロッドキット、ベアリング、オイルシール、オイルレシーバー交換
前回紹介したオイルシール接触面もベアリングが圧入され復活です。
外したコンロッドとクランクピンです。
クランクピンの1番上が右シリンダーのピンです。
げっそり摩耗しています。
コンロッドの内側もげっそり摩耗しています。
ここまでひどい状態の物はなかなか見られません。
音は出ていましたが走行は可能でした。
いつベアリングが破断してロックするか分からないので恐ろしいです。
ミッションを組み終えたアッパーケースにクランクを組み込みして
下準備しておいたロアケースを締め付けすればひと段落。
ケースをひっくり返して組立を進めます。
クラッチ周りを組立して
クラッチカバーを取付して完成。
ガスケット、オイルシールは全て交換済みです。
再使用するピストン、シリンダーも下準備済みですのでサクサク組立。
新品のスモールエンドベアリング、ピストンピンを使用します。
シリンダーヘッドを締め付けたら完成です。
2stのエンジンは非常にシンプルですので数時間で組立完了です。
今回はエンジンのみ持ち込みでしたので、私の仕事はここで終了。
お客様にエンジンを納品して後は師匠の手により積み込み、調整です。
数週間後、慣らしを兼ねてご来店いただきました。
以前は跨ったままキックできたのに
1次圧縮回復したためキックが重くなりエンジンがかけにくくなったそうです。
いやいや、以前がスカスカだっただけで、これが本来の踏みごたえです。
とはいえ、エンジンは非常に静かでスムーズになりマッハじゃないみたい!という感想。
いやいや、ちゃんと圧縮しっかりしているとトルクもあり乗りやすいバイクです。
これが本来の750SSの乗り味です。
引き続き慣らし運転でストレス溜まるかもしれませんが
しばらくはのんびり走ってください。
一度は手放すことも考えられたS様ですが
快調になったH2Cをまだまだ乗ってくださるようです。
お役に立てて良かったです。
また何かありましたらご相談ください。
長い付き合いになりましたが、引き続きよろしくお願いいたします。