すこし熱めのぬるま湯
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祖母の冷蔵庫さん

はじめまして。


ブログっていうのはよく分からないから小話集みたくなりそうな予感。


困るねー。



今日は祖母の冷蔵庫さんのこと、書きます。


えーっと、私は割と好き嫌いが曖昧で、初対面の人に「好きなものはなに?」と聞かれても口ごもってしまう。


そんな私が今一番好きなのが「祖母の冷蔵庫さん」。


祖母とは別の家に住んでるけど、祖母の家が大好き。どこもかしこも新品の匂いがする。


祖母は昔古い古い家に住んでいたけれど道路の拡張工事でぽーんと移動させられた。


本人は大して気にした様子もなく新品の家にあっさり引越しなじんでしまった。


キレイ好きでやりくり上手の祖母はこの家を6年経った今でも新品の匂いでいっぱいにさせてる。


なかでもオーラさえ感じるほどの新品さんは冷蔵庫。別に新しい代物でもないけど新品の匂いがぷんぷんしてる。・・・・・・と思う。


この内臓はいたってシンプル。


乳白色のタッパーにいっぱいのゼリー(祖母は寒天ゼリーの達人だ)、梅干、ミネラルウォーター、調味料


そしてほんの少しの前日の残りものが小さな入れ物にちょこんとある。


こんな様子だから汚れる気配もなく、奥の壁までキレイに見通せる冷蔵庫であり続けている。


どうしても常備菜や残ったご飯でぎゅうぎゅうになってしまううちの冷蔵庫と見比べて、そのシンプルさに疑問を抱く。


「どうしてこんなに物がないの?」


祖母はいつも誇らしげに


「無駄なものは買わない。無駄な量は作らない。質素に質素に暮らしてるのよ」


と。


祖母の主婦である証、新品の匂いの冷蔵庫。


冷蔵庫さん、と呼ばずしてなんと呼ぼう。


その新品の匂いとその中に垣間見える熟練された「新品くさいわけ」。


あまりに熟練されたものは新品に生まれ変わることがまれにあるのだ、と悟った。


また私はその匂いに恍惚として祖母の作り上げた新品の家から遠ざかる。


自宅の冷蔵庫に「さん」がつく気配は、まだ、ない。